医学史上の偉人
ヒポクラテス(古代ギリシャ)
・ざっくりまとめ
医学の父と呼ばれる偉人。医学を宗教、迷信と切り離し「技術」として独立した。
ヒポクラテスの誓いでも有名。
・詳細
ヒポクラテスの誓いの中で、医療者としての倫理、技術としての客観性の重要性を語る。また、地震洪水などの後には疫病が蔓延することに注目し、自然災害が起こることで、汚れが巻き上がりそれを吸い込んで病になるというミアズマ説を唱えた。
レーウェンフック(オランダ)
・ざっくりまとめ
オランダの呉服商人でありながら、自作のレンズで身近なものを観察し、初めて細菌を発見。
・詳細
1676年 細菌を世界で始めて発見。当時はまだ細菌とは呼ばれず、小動物を意味するanimalculeと呼ばれていた。
エドワード・ジェンナー(イギリス)
・ざっくりまとめ
牛痘に既に感染することで天然痘にならない。という言い伝えを技術として確立した。
・詳細
1796年 牛痘に感染した女性の腕に出来た牛痘を少年に摂取、半年後天然痘を摂取しても発症しないことで種痘の有効性を示した。
パスツール(フランス)
・ざっくりまとめ
フランスの細菌学者。ワイン腐敗の原因を探る中で、微生物の自然発生説を否定。
また狂犬病ワクチンの開発に成功。リスター、コッホに影響を与える。
・詳細
1859年、首長フラスコを用いることで微生物自然発生説を否定。リスターに影響を与える。
1862年、低温殺菌法を開発。これにより美味しくワインやビール、牛乳を飲むことが可能になった。ビールを飲む度に思い出そう。ありがとう、パスツール。
1885年、狂犬病ワクチンを開発。予防だけでなく、発症初期においてもワクチン投与が有効であることを示した。
・ざっくりまとめ
産後の発熱が医療者を介した接触感染であることに気づき、医療者が術前にしっかり手指消毒を行えば発熱を防げることを証明したけど……医療者をバイキン扱いしたため迫害を受けその説が医学界に広まることはなかった。
リスター(イギリス)
・詳細
1867年 イギリスの外科医であるリスターは、パスツールの自然発生説の否定(1859年)内の、「空気中には腐敗をもたらす微生物がいる」という内容から着想を得て、手術道具を全て石炭酸で消毒した後に手術を行う無菌手術法に成功した。
後々、ゼンメルワイスの業績に気づき「俺じゃないよ! 感染が医療者によるものって先に気づいたのはゼンメルワイスさんやで」と擁護したとのこと。ええ人……リスター。
コッホ(ドイツ)
・ざっくりまとめ
ドイツの医師、細菌学者。パスツールの若きライバル(つまり年下)。彼は固形物質(ゼラチン)による培養法を用いて、炭疽症が炭疽菌という細菌に感染することで引き起こされることを証明した。
・詳細
1876年 炭疽症は炭疽菌が引き起こすことを証明。細菌感染の原因生物を特定するコッホの4原則を発表。
1882年 炭疽菌の時と同様に結核が結核菌によって起こることを証明。3月24日だったので世界結核デーとなる。
1883年 コレラ菌を発見。
1890年 ツベルクリンを発明。現在、診断において用いられている。
北里柴三郎(日本)
・ざっくりまとめ
コッホの弟子。難しかった嫌気性菌の培養に成功し、破傷風菌の培養に成功。破傷風の症状を起こすものは毒素であることを示した。
・詳細
1889年 破傷風菌の培養に成功。
1890年 破傷風菌の症状は菌そのものではなく、菌が産生する毒素であること発見。またその毒素に対抗する物質が感染者の血液中には含まれることを発見し抗毒素と命名。血清療法を発明する。
胸水 滲出性or漏出性
滲出性胸水
炎症による血管透過性亢進が引き起こす血管からの液体の胸膜腔への液体移動。これが滲出性胸水の正体である。
画像所見などで片側の胸膜腔への胸水の貯留を診たら、滲出性胸水である
(漏出性胸水なら、主体は血液なのであるから、その血液が通う両方の肺で起こっているはずである)
漏出性胸水
血液の膠質浸透圧低下、静水圧亢進によって起こる。
血管と組織の間での水を奪い合う綱引きのバランスが崩れることで、組織側に偏って水が存在する。これが漏出性胸水。
皮膚付属器には分泌様式の全てがある。
・皮脂腺
分泌形式としては全分泌(ホロクリン分泌)を持つ。
細胞内に分泌物が充填され核が萎縮する。そのまま細胞は死に細胞ごと分泌物もまとめて分泌される形式がホロクリン分泌である。
・エックリン腺
分泌形式としては開口分泌を持つ。
分泌物が細胞を傷つけず、細胞外へと分泌される。
※分類によっては 漏出分泌を更に二つの分類、開口分泌と透出分泌に分けてエックリン腺は透出分泌を行う。とすることもある。が臨床の現場では開口分泌で良い。
・アポクリン腺
分泌形式としては離出分泌を持つ。
分泌物が、細胞質の一部とともに細胞外へと放出される。
酸素解離曲線の右方移動・左方移動
・左方移動 ヘモグロビンが酸素を取り込みやすくなる。
さ んそとくっつく さ方移動!
原因 Phの上昇、 CO2の低下、 2,3DPGの低下
結果として起こること
ヘモグロビンが酸素とくっつきやすくなるので、体の各組織は酸素を受け取りづらくなる。
・右方移動 酸素をヘモグロビンが切り離しやすくなる。
うっほうほ! 運動するぞ う方移動!
原因 Phの低下、 CO2の上昇 2.3DPGの上昇。
結果として起こること
ヘモグロビンが酸素を切り離しやすくなるので、体の各組織は酸素を受け取りやすくなる。
激しい運動などで酸素の需要が高まると起こる。 うほうほ!!!
・そもそも酸素解離曲線ってなに?
縦軸SO2:どれだけのHB(ヘモグロビン)が酸素とくっついてるかを示す値。酸素をゲットして酸素とカップルになれたHBが多いほどグラフは上にいく。
横軸PO2:酸素分圧。周囲の環境にどれほど酸素が存在しているかを表す。
グラフの右の方は周囲に酸素がたくさんいるので主に動脈血を表す。
グラフの左の方は周囲の酸素が動脈に比べ少ないということなので、主に静脈を表す。「圧」という文字は気にしなくて良い(気体は濃度をそのまま圧力で示すので濃度と思っておいてOK)
妥当性 信頼性
妥当性varidity
その測定尺度が測りたいものをどれだけ捉えているか
その測定結果がどの程度真実を反映してるか
測るべきものをどれだけ正確に測れているかの尺度。
信頼性reliability
その測定尺度は何度用いても同じ結果が得られるか
いつでも誰が測っても同じ結果になるか
どれだけぶれない結果を出すかの尺度。
浮腫
浮腫のメカニズム
1毛細血管の透過性亢進
2毛細血管内の静水圧上昇
3毛細血管内の膠質浸透圧低下
浮腫はさらに浮腫を呼ぶ。
有効循環血液量の低下→生体は体液量が減少したと判断→体液を増やすための代償反応が起こる。
代償反応
・レニンアンギオテンシンアルドステロン系(RAA系)が活性化
水とNaの貯留
・パソプレシンの分泌
自由水の再吸収増加。
※自由水:体内の水分の中で純粋にH2Oだけを指す言葉。体内のH2Oの中にはNaやClなどのイオンが溶け込んでいるため「体内の水分が移動する」、「体内の水分が再吸収される」というとそれらのイオンの扱いがわかりづらくなってしまう。そこを区別するために用いる言葉が自由水である。