冠動脈の走行と、覚えておきたい「冠状」の意味
心臓そのものを栄養する冠動脈ですが、さらに分類すると
・左冠動脈前下行枝
・左冠動脈回旋枝
・右冠動脈
の3つに別れます。
北海道心臓協会様のイラストをお借りしています。ありがとうございます!
規約には目を通しておりますが、問題がある場合はご連絡ください。すぐ削除させて頂きます。
こちらの素晴らしいイラストをみていただければわかりますが
左冠動脈回旋枝と右冠動脈は だいたい横
左冠動脈前下行枝は だいたい縦 に走っていることがわかります。
ちなみに医師国家試験107E-9では
左冠動脈回旋枝と 右冠動脈近位部は 冠状溝を通り
左冠動脈前下行枝は 前室間溝を通る。
といった知識が問われました。
前下行枝はそりゃ、前の方の心室の間の溝を通ってるので納得ネーミングですが
回旋枝と右冠動脈の冠状溝ってなんじゃそれ? となってしまう人も多いと思います。
この場合の冠状とは
これではないです。
こっちです! Google画像検索「草 冠」
だから冠状っていったら
球体に対して
こういう赤い線を入れたイメージを指すんですね。(例 CTの冠状断とか)
なので
左冠動脈回旋枝と 右冠動脈近位部は 冠状溝を通り
というのも、そのまま球状の心臓に対し、上図の赤線のように走るイメージを持てていたら納得できますね。
食道の位置
食道は
・気管の後ろ。接している。(背側)
・左房・左室には近い。右房・右室には遠い。(背中側だから当たり前だけどね)
・だから肺静脈(→左房)、(左室→)下行大動脈には接するタイミングがある。
・頸部~胸部中部くらいまでは右側ががら空きで、左側には大動脈弓や、下行大動脈がある。だから頸部~胸部中部くらいまでの食道手術は右開胸。
・下部食道までおりてくると、右側には肝臓が!だから左開胸。
↓このことを意識しながら下のページでレッツ勉強。
そうしたら食道癌の浸潤問題にも悩まなくてすむ!
食道癌の直接浸潤として可能性が高いものはどれ?
気管、下行大動脈、上大静脈、肺動脈、肺静脈
正解は下の部分をドラッグ!
気管、下行大動脈、肺静脈、
新生児一過性多呼吸 TTN
Transient Tachypnea of the Newborn
新生児にみられる一過性の多呼吸。(そのまんまや)
緊急帝王切開などで生まれた児に多く見られる。(正期産でも見られる)
通常、産道通過時に起こる圧迫によって肺水が口から排出される。帝王切開ではその圧迫が起きないため、絞られないスポンジのように肺の中に肺水が存在し
それによって呼吸障害、多呼吸を来す。
治療は必要になることは多くないが、酸素化に上昇がみられない場合は、モニター管理下にて酸素投与も考慮する。
呼吸窮迫症候群RDS(肺サーファクタント欠乏が引き起こす肺胞の虚脱)、胎便吸引症候群MAS(便による気道の閉塞)との鑑別が重要となる。
心臓の弓
右第1弓とか、左第4弓とかのアレです。覚えづらいのは僕だけですか?
右第1弓 上大静脈
右第2弓 右房
左第1弓 大動脈弓
左第2弓 肺動脈
左第3弓 左房(目立たないことが多い)
左第4弓 左室
ざっくり全身麻酔薬
吸入麻酔薬の(当たり前の)話
・セボフルラン、デスフルランなどがある。
・呼吸していないと取り込まれない(当たり前の話)
・肺の血流が均等でないと、血流動態異常があると(左-右シャントがあったりすると、脳にいかず)遅い。
静脈麻酔薬の(当たり前の)話
・バルビツレート系(チオペンタール、チアミラール)
GABA受容体に作用しGABAの作用を増強し、抑制系を不活化する
脳保護作用(脳酸素消費量↓、脳血流量↓、脳圧↓)
・ベンゾジアゼピン系(ミダゾラム)
GABA受容体に作用しGABAの作用を増強し、抑制系を不活化する
妊娠中の使用で口唇裂、口蓋裂を誘因する
拮抗薬(フルマゼニル)があるので使いやすい面がある(効きすぎの時はいざといえば拮抗薬!という考えもある)
脊髄硬膜外麻酔
通称エピスパ。L3/L4、L4/L5から行うことが多い。
L4のメルクマールとしては、左右の腸前上骨稜を結んだヤコビー線が用いられる。
使用する針は、ペンシルポイント針とクインケ針(片手で行えて簡易的)。
使用薬剤
レボブピバカイン(ポプスカイン)
メピバカイン(カルボカイン)
ロピバカイン(アナペイン)等が挙げられる。
行う場合、肝機能低下などによる凝固能低下がないかを確かめる必要がある。
硬膜外麻酔が可能かどうかは、
血小板数10万超、PT-INR1.5未満、APTT50パーセント未満(米国区域麻酔科学会ARSAの基準)などが用いられる。
術中の疼痛管理だけではなく、術後の疼痛管理にも有用である。