【糖尿病】【便秘】【腹部膨満感】
けんの一言
二ボーってなんか のろまそうですよね。
問題文
56歳の女性.以前より糖尿病の治療を受けている.4年前に増殖性網膜症を指摘された.約1年前から腹部膨満感、便秘をきたすようになり,嘔吐もみられるので来院した.腹部X線単純写真では二ボー、巨大胃泡、異常に拡張した腸管を認める。最も適切な治療薬の組み合わせはどれか.(90D16改)#けん国試
aブスコパン、リン酸コデイン
bリン酸コデイン、メトクロプラミド
cメトクロプラミド、ネオスチグミン
dネオスチグミン、ニフェジピン
答えは
cメトクロプラミド ネオスチグミンです。
糖尿病の合併症では「しめじ」の語呂合わせが有名ですね。神経(末梢神経、自律神経)、目、腎臓の頭文字です。
この症例では糖尿病の自律神経障害によって消化管の運動機能障害が起こり麻痺性イレウスを呈していると考えられます。(画像も90D16にはありますので目を通して頂ければ)
今回登場する薬の中で、
・ブスコパン(抗コリン薬)
・リン酸コデイン(便秘が副作用として知られる)
・ニフェジピン(Caブロッカー。平滑筋を緩めるので消化管運動が弱まる)は全て腸管運動を低下させてしまいます。
つまり泣きっ面に蜂。
・メトクロプラミド(抗ドパミン作用をもつ消化管運動促進薬)
・ネオスチグミン(抗コリンエステラーゼ薬、コリンエステラーゼ阻害薬)
どちらも消化管運動を促進します。
なので今回はこれらが正解となります。
抗ドパミン、抗コリンと聞いて何が起きるのか
コリンエステラーゼ阻害薬が何を起こすのか
イメージできるようになっておきましょう。
コツは「否定の力を持つ部分」を意識することです。「抗」「エステラーゼ」がその「否定の力を持つ部分」に当たります。
コリン←副交感活発
抗コリン←副交感活発が邪魔される、つまり交感が活発に
抗コリンエステラーゼ←副交感活発を邪魔するものを邪魔する(英語の範囲の二重否定に似てますね)つまり副交感が活発に
といった具合ですね。
56歳の女性.以前より糖尿病の治療を受けている.4年前に増殖性網膜症を指摘された.約1年前から腹部膨満感、便秘をきたすようになり,嘔吐もみられるので来院した.腹部X線単純写真では二ボー、巨大胃泡、異常に拡張した腸管を認める。最も適切な治療薬の組み合わせはどれか.(90D16改)#けん国試
— けん@医学部国試対策アカウント (@swns6) April 19, 2019