現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【胎児循環】

きよすけの一言
「卵円孔って頭蓋骨にもありますよね。医大生の頭蓋骨の読み方ってずがいこつ→とうがいこつ→ずがいこつって感じになりますよね」

 
次の文中のカッコを埋めて、正しい文を完成させよ。 #けん国試


胎児循環において生後数分で( 1 )が起きる。
その後生後半日の間で( 2 )、生後数日で( 3 )、生後数週間で( 4 )が起きる。

ア 機能的卵円孔閉鎖 イ 器質的卵円孔閉鎖
ウ 機能的動脈管閉鎖 エ 器質的動脈管閉鎖

a 1ア 2イ 3ウ 4エ 
b 1ア 2ウ 3イ 4エ
c 1ア 2ウ 3エ 4イ
d 1ウ 2ア 3エ 4イ

 

答えは

 

「c 胎児循環において生後数分で(1 ア 機能的卵円孔閉鎖 )が閉鎖する。
その後生後半日の間で(2ウ 機能的動脈管閉鎖 )、生後数日で(3エ 器質的動脈管閉鎖 )、生後数週間(4イ 器質的卵円孔閉鎖)が完成する」

 

解説
胎児循環で閉鎖が出題されるのは
卵円孔・・・右房と左房をつなぐ
動脈管・・・肺動脈と大動脈弓をつなぐ
この二つですね。
ちなみに
静脈管・・・臍静脈と下大静脈をつなぐ
は肝円索になるという知識がよく出題されますね。

卵円孔の機能的閉鎖は、左房圧が右房圧を超えた時に起こるものです。
生後すぐ左房圧は右房圧を超えるので卵円孔の機能的閉鎖はすぐ起こります。
*1

その後血中のO2濃度上昇、プロスタグランジン濃度低下を受けて、生後半日で動脈管の機能的閉鎖が起こります。

さて、卵円孔の機能的閉鎖が起きて、動脈管の機能的閉鎖が完了しました。
残るは卵円孔と動脈管の器質的閉鎖ですが
細くてしかもキュッとしまった動脈管と、心房中隔に大きくあいた穴をふさぐ卵円孔
どっちがふさがりやすいかというと動脈管ですよね。
なので器質的閉鎖は動脈管が先、卵円孔が後です。

まとめると

f:id:takuwaning:20190714142545p:plain

 

こんな感じです。

 

 

*1:卵円孔はトイレのドアのような構造になっています。
トイレのドアって押して開けようと思うと一方通行になりますよね。
右房圧>左房圧 のころは右房から左房に流れる血流が卵円孔を通れますが
左房圧>右房圧 となると、血流は左房から右房に流れようとしても卵円孔は一方通行なので通れません。むしろ左房が通ろうとする圧力で卵円孔は閉じられてしまうわけですね。