現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【B群レンサ球菌】【産道感染】

きよすけの一言
産婦人科って難しく感じるんですけど
ポリクリは楽しいですよね オペも明解じゃないですか?」

 

問題
妊婦・胎児・新生児におけるB群レンサ球菌GBSについて正しい文を選べ #けん国試

a 新生児の髄膜炎、敗血症の原因となる
b 母体の感染が確認されるとセフェム系抗菌薬投与が行われる
c GBSは全ての新生児に対してスクリーニングが行われる
d 特に胎盤感染が問題となる

 

答えは

 

「a 新生児の髄膜炎、敗血症の原因となる」です。

 

解説
B群レンサ球菌は膣内の常在菌です。
常在菌といっても女性の膣ならだれの膣にでもいるわけではなく、妊婦の2割ほどの膣に生息しているとされています。
特に母体には悪さはしませんが、胎児に対し分娩時の産道感染を起こし
胎児の髄膜炎や敗血症の原因となります。

検査は 妊婦に対するスクリーニングが行われます。
全ての妊婦が対象となっており、妊娠35~37週におこなうことが推奨されています。

7.妊娠中のGBS検査について – 日本産婦人科医会

もしGBS感染が確認できた場合は、分娩時に母体に対しペニシリン系抗菌薬の点滴を行います。
もしペニシリン系の抗菌薬に対しアナフィラキシーショックを起こしたことがある場合はセフェム系抗菌薬が用いられます。
104E5では
https://minkore.com/bbs_view/104_5_5


B群レンサ球菌〈GBS〉―――――――― 母体へのセフエム系抗菌薬投与


という選択肢は誤りとなっています。
第一選択ではないからかと思われます。
しっかり治療の順序も抑えておきましょうね。


a 新生児の髄膜炎、敗血症の原因となる
正しい。
b 母体の感染が確認されるとセフェム系抗菌薬投与が行われる
誤り。分娩時のペニシリン系抗菌薬の点滴が考慮されます。
感染を確認してすぐの投与となっているのも正しいとはいいがたいですし、抗菌薬選択も適切とは言い難いです。
c GBSは全ての新生児に対してスクリーニングが行われる
スクリーニング対象は妊婦さんです。
d 特に胎盤感染が問題となる
GBSは産道感染が問題になります。分娩時に点滴を行うこと、GBSが膣の菌であることも抑えておきましょう。