【けん国試ベース】【循環器】
けん国試ベースとは・・・
国試を解いていく上で「いやそれはもう知っておかないとどうしようもないよ」となる前提知識のことである。
勘違いしないでほしいが医学生として知っていて当然の知識では決してない。当日、思いつくのは無理。これは覚えていこうね、という知識を指す造語である。
・虚血性心疾患は4つに分けるとわかりやすい。
異型狭心症:ST上昇。冠攣縮性狭心症。
労作性狭心症:ST低下。運動時などに3-5分の症状を示す。
不安定狭心症:ST低下。プラークが破綻し、20分以内の症状を呈す。
心筋梗塞:ST上昇。もう心筋は壊死しています。
・心筋の血流支配
・心不全は四つに分かれているよ。
心係数 |1 2
2.2 |3 4
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肺動脈楔入圧 18
1 正常 末梢循環不全なし
2 肺うっ血あり 治療:血管拡張薬(硝酸薬)、フロセミド、hANP(高価)
3 末梢循環不全あり 治療:強心薬(ドパミン、ドブタミン)ノルアドレナリン、循環補助(IABP、PCPS)
4 肺うっ血あって、末梢循環不全あり:まずは 強心薬(ドパミン、ドブタミン)
心係数:心拍出量を体表面積で割ったもの。
末梢循環不全は心係数の他に、チアノーゼや乏尿、収縮期血圧が100未満などで読み取る。
肺うっ血は肺動脈楔入圧の他に、レントゲン所見や、coarse crackle聴取で読み取る。
・血管の走行
総頚動脈と内経静脈では総頚動脈が内側。 右利きが右総頚動脈を左手で感じながら内経静脈を刺しやすい。
脚では
外側から大腿神経N、大腿動脈A、大腿静脈V。右利きが右脚の大腿動脈を左手で感じながら大腿静脈を刺しやすい。
肋骨では肋骨の下に血管・神経が固まっており、下から静脈V、動脈A、神経Nが通る。
・大動脈瘤
真性・・・血管の三層構造(内膜、中膜、外膜)が保たれたまま、飛び出る大動脈瘤
仮性・・・血管の三層構造を欠き、飛び出ている大動脈瘤
・Valsalva洞動脈瘤破裂 バルサルバ洞動脈瘤破裂
右冠動脈洞、無冠動脈洞破裂はバルサルバ洞から右心室への血液流入を引き起こす。
連続性雑音を呈す:動脈(バルサルバ洞)と静脈(右心室)が繋がると連続性雑音が起こる
直ちに手術:診断後直ちに外科的手術を行う
合併症:心室中隔欠損を合併することが多い(右冠動脈破裂例に多い)
・大動脈二尖弁は大動脈狭窄症(AS)、上行大動脈拡大、大動脈解離などを引き起こしやすい。
・VT心室頻拍
治療法:アミオダロン、リドカイン、カルディオバージョン ICD(植込み型除細動器)
禁忌:カテコラミン、ジギタリス
VTでジギタリス禁忌なのは何故ですか? | Peing -質問箱-
・左室流出路は僧帽弁前尖と心室中隔から形成される。
・大動脈弁は、僧帽弁、三尖弁と繊維性構造を持つ。
・Rivero-Carvallo徴候
吸気時に雑音が増強し、呼気時に減弱する。この徴候があると心雑音は右心系由来であることが分かる。