現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【びまん性汎細気管支炎】【DPB】

きよすけの一言
「最近気づいたんですけど 僕めっちゃ呼吸器苦手です」

 

問題文
びまん性汎細気管支炎(DPB)について誤りの文を選べ  #けん国試

a 拡散能の低下をきたす
b 慢性副鼻腔炎に伴う
c 気管支拡張を伴う
d 治療には特定の抗菌薬を用いる

答え

 
「a 拡散能低下をきたす」

びまん性汎細気管支炎は閉塞性換気障害をきたす疾患の一つです。
(閉塞性換気障害を来す国試の疾患と言えば、COPD、喘息、びまん性汎細気管支炎と気管支拡張症(これだけ病態ですけど)の4つですね)

気道の粘膜免疫機構が弱まっている場合、インフルエンザ桿菌、肺炎球菌、緑膿菌などの感染を生じ、呼吸細気管支が慢性の炎症を起こし続けることで、気管支が狭窄を起こします。
症状は息切れ、喀痰、咳嗽などですね。細菌感染を起こしているので痰は膿性です。
炎症の舞台は細気管支なので肺胞は無事です。なので拡散障害などは起きません。
粘膜免疫機構が弱いので、慢性副鼻腔炎などが合併していることが多いです。
治療はマクロライド系抗菌薬を用います。これは抗菌薬ですがマクロライドが持つ抗炎症作用を治療に用いています。

a誤り。
肺胞は無事なので、拡散能は障害されません。
b正しい。
伴います。
c正しい。
細気管支の内腔は狭窄するんですが、慢性炎症が続くと気管支壁は炎症によって脆弱化し、線維化の影響を受け引っ張られることで拡張します。こんな機序でびまん性汎細気管支炎が気管支拡張症を引き起こすわけですね。
狭窄と拡張の共存がこの病気を難しくさせていますね。内腔の狭窄、気管支壁の拡張としっかり、主語も含めて覚えれば簡単に頭に入りますよ。
d正しい。
はい、治療はマクロライド系抗菌薬を用います。

 

そもそも拡散障害をきたす病気ってなんだっけ? とおもって ググってみました。
COPD間質性肺炎、手術後 などだそうです。あれ? それだけー!!??
そっか分かった、器質的変化を肺胞に来す病気(COPD 間質性肺炎)が拡散障害なのね 了解です。