現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【肺癌】【肺がん】【肺ガン】

きよすけの一言
「フランス語選択でした」


問題文
原発性肺癌について説明した文の中で正しいものはどれか?


選択肢
a 肺癌は癌死因で第3位となる
b 扁平上皮癌・小細胞癌は中枢、腺癌は末梢に好発する
c 小細胞癌ではSCC、CYFRAなどの腫瘍マーカーが上昇する
d 悪性胸水が存在する線癌の場合手術が必要となる

答え

 「b 扁平上皮癌・小細胞癌は中枢、腺癌は末梢に好発する」

 

解説

a 肺癌は癌死因で第3位となる
誤り。第1位です。
b 扁平上皮癌・小細胞癌は中枢、腺癌は末梢に好発する
正しい。
c 小細胞癌ではSCC、CYFRAなどの腫瘍マーカーが上昇する
誤り。小細胞癌ではNSE,proGRPが上昇し、
SCC、CYFRAが上昇するのは扁平上皮癌が上昇します。
d 悪性胸水が存在する線癌の場合手術が必要となる
誤り。悪性胸水がある場合、遠隔転移陽性となるので手術はできないことが多いです。


原発性肺癌!
60代~70代に多く、癌死因ランキング1位の癌です。

まずは
腺癌、扁平上皮癌、小細胞癌、大細胞癌これらを覚えましょう。

・発生部位
末梢:腺癌、大細胞癌
中枢:扁平上皮癌、小細胞癌

・頻度
腺癌が最多!特に女性の8割は腺癌。

・細胞診所見
腺癌:ねばねば粘液を産生するので、塊を認めます。パパニコロウ染色で緑色に染まります。
扁平上皮癌:パパニコロウ染色でオレンジに染まります
小細胞癌:小さくて黒いです。ほとんど核。
大細胞癌:あまりわかりやすい特徴はないですけど、細胞は大型で核の形が整ってないものが多いです。

・組織所見
腺癌:腺管構造を認めます。
扁平上皮癌:癌真珠を認めます。

腫瘍マーカー
腺癌:CEA、SLX
扁平上皮癌:SCC、CYFRA
小細胞癌:NSE、proGRP
大細胞癌:CEA、SLX

手術適応は難しいのですが
小細胞癌はやっかいと覚えましょう。

まずは治療の階段を頭に叩き込みましょう。
手術療法→放射線化学療法→化学療法。病気が進行すると治療はこの階段を降りていく形になります。
小細胞癌は手術療法の段階に立てることは少なく二段目の「放射線化学療法」から始まることが多いです。

[腺癌、扁平上皮癌の手術]
・縦隔リンパ節転移なし→肺葉切除+同側の肺門リンパ節切除+縦隔リンパ節切除
・縦隔リンパ節転移はあるけど、
 遠隔転移はなし→放射線化学療法
・遠隔転移あり→化学療法

[小細胞癌の手術]
国試において手術適応の症例は少ない
病変が片側→放射線化学療法
病変が両側→化学療法

癌治療は肺癌に限らずまずこの治療の階段を頭に入れてしまうと
覚えやすくなることが多いですよ。
もちろん国試を解くための覚え方であって、実臨床ではガイドラインなどを当たる必要がありますけどね。