現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【Goodpasture症候群】

問題文
Goodpasture症候群について誤っているものを選べ #けん国試

 

選択肢
a 拘束性換気障害をきたす
b DLcoは上昇する
c Ⅲ型アレルギーである
d 抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体陽性を示す

 

答え

 「c Ⅲ型アレルギーである 」

 

解説

a 拘束性換気障害をきたす
正しい。

b DLcoは上昇する
正しい。意外ですが肺胞内のHbの存在によってDLcoは上昇します。
COとHbって良く結びつきますもんね

c Ⅲ型アレルギーである
誤り。抗体が主役のアレルギーですのでII型アレルギーです。

d 抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体陽性を示す
正しい。
MPO-ANCAは全体の25%ほどで陽性を示します。
抗基底膜抗体は病気そのものに関わる抗体ですので全体の9割ほどの確率で陽性を示します。


Goodpasture症候群はII型アレルギーの疾患で
抗基底膜抗体(抗GBM抗体)が肺胞や糸球体を攻撃することで肺、腎に症状をきたす疾患です。
僕の大学の先生は
「Goodpastureは症状激しいし、治療もキツい。全然Goodなんかじゃなくきちんとした知識持って治療してあげないとbadです!」と教えてくれました。
そんな激しい症状と、キツい治療を下にまとめます。

症状
肺胞出血と半月体形成糸球体腎炎がメインです。
肺胞は傷ついて血だらけです。
なので
呼吸困難、咳嗽、喀血を呈します。
レントゲンでは
両側のびまん性すりガラス陰影や浸潤影を認めます。
また、肺胞出血により一酸化炭素の拡散能力はむしろ向上してDLcoは上がります。これは肺胞にCOが大好きなHbが存在するからですね。
気管支肺胞洗浄液の中には、血を食べてくれたマクロファージが「ヘモジデリン貪食マクロファージ」という形で見つかり、気管支鏡検査は他疾患との鑑別にも有用とされています。肺組織を用いた組織診で蛍光抗体染色を行うと、基底膜に沿ってIgGの沈着が確認できるのが特異的な所見です(腎糸球体係蹄壁にIgG沈着を見つけても同様に特異的です)

腎糸球体も傷つきますので
血尿、蛋白尿を呈しますしBUNやCreは上昇します。

貧血を呈してだるさ、体の重さを訴えられる方もおられます。

治療は
血漿交換療法と
ステロイド、免疫抑制薬による治療です。
貧血に対しての輸血や、免疫抑制治療に対してST合剤を用いてニューモシスチス肺炎を防ぐなどの治療が同時に行われることもあります。

なかなかバッドなGoodpasture症候群
ものにしてしまいましょう!