現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【重症筋無力症】【Lambert-Eaton症候群】

きよすけの一言
「寒いのか暑いのかわけのわからない気温にぶちぎれている」

 

問題
重症筋無力症(選択肢a.bで言及)、Lambert-Eaton症候群(選択肢c.dで言及)について正しいものを選べ
a 抗VGCC抗体が関与する
b 筋力低下は下肢優位で起こる
c 運動を繰り返すと改善する
d エドロホニウム試験で診断する

答え

 


「c 運動を繰り返すと改善する」


 

解説


重症筋無力症

・症状
筋力低下。動かせば動かすほど筋力は弱まるため・・・
「ずっと動かすとだんだん弱くなる」
「夕方になると弱くなる」
瞼を動かす上眼瞼挙筋が弱まると・・・眼瞼下垂が生じ
眼球を動かす外眼筋が弱まると・・・複視が生じる
筋力低下は上肢優位に起こります。
(エピソード例:物を網棚に挙げれなくなった)

・検査
血液検査の結果 抗アセチルコリン受容体抗体(抗AChR抗体)を認めます。
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬を用いた試験(エドロホニウム試験)を行うと症状の改善を認めます。
誘発筋電図では動かそうとし続けると、どんどん波が小さくなっていく waning現象を認めます(めちゃここがでる なんで?)

・その他
重症筋無力症はしばしば胸腺腫や胸腺の過形成を伴います。
なので重症筋無力症を疑ったら胸部CTなども考慮しましょう。
クリーゼ・・・変な話ですが、「重症筋無力症の重症化」です。
肺炎などをきっかけに筋力低下がさらに悪化して呼吸筋がうまく動かないところまで症状を呈してしまいます。
・治療
胸腺腫があれば胸腺腫切除
コリンエステラーゼ阻害薬内服、ステロイド、免疫抑制薬を用いる。

 

Lambert-Eaton症候群
・症状
筋力低下!
重症筋無力症とは違い、動かし続けると改善するという特徴があります。
またもう一点違う点としては筋力低下は下肢に優位で起こります。
エピソード例:立ち上がれなくなった。
・検査
肺小細胞癌に合併することが多いため、胸部CTなどを考慮します。(その他 白血病や、胃癌、悪性胸腺腫などに合併しうる)
また誘発筋電図では刺激を繰り返すと波がどんどん大きくなるWaxingという現象を認めます。
血中抗VGCC抗体(Ca流入を阻害して、アセチルコリン分泌を阻害する)陽性。
・治療
合併する悪性腫瘍の治療を優先する。
ステロイドや免疫抑制薬を用いる