現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

心音のまとめ

きよすけの一言
「動画0-6でました! 本当いい風景でなんか笑っちゃいました この街にこんないい風景あったっけ?」


40年前のバイク修理して水曜どうでしょうごっこ 第0話-6【東京ヒヤリハット】

 

心音は4つ。
聞こえて当たり前の音 Ⅰ音 Ⅱ音
Ⅰ音:僧帽弁三尖弁の出す音
Ⅱ音:大動脈弁の音、肺動脈弁の音

聞こえると「ん?」ってなる音 Ⅲ音 Ⅳ音
Ⅲ音:容量負荷がかかると聞こえる。元気な若者でも聞こえる
聞こえる疾患:心不全、僧帽弁閉鎖不全、拡張型心筋症
Ⅳ音:圧負荷がかかると聞こえる。
聞こえる疾患:心不全、大動脈弁狭窄症、肥大型心筋症

 

音のしくみ

Ⅰ音つまり房室弁(三尖弁、僧帽弁)が出す音は弁が硬いと音が大きく鳴る。
弁が硬くなるのは三尖弁狭窄症や僧帽弁狭窄症 これらの時にⅠ音亢進
弁がしっかりしまらない三尖弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症 これらの時にⅠ音減弱

Ⅱ音つまり大動脈弁、肺動脈弁が出す音は弁の外の圧が強くなると音が大きくなる。
なので大動脈弁閉鎖不全、肺動脈弁閉鎖不全だと弁の外の圧が強くなり音が大きくなるつまりⅡ音亢進
弁の外に血液が流れていかない大動脈弁狭窄症、肺動脈弁狭窄症ではⅡ音減弱。

音の順序
基本的に
Ⅱa(大動脈弁の音)が先になってⅡp(肺動脈弁の音)が後になるのが正常
圧が強い大動脈の方が、先にバっと出して血液出し終わって早く閉まる訳ですね。
また吸気時、右房に還ってくる血液が増えるので、Ⅱpはより遅くなる、これも正常です(生理的分裂)

・病的分裂・・・遅く閉まるⅡpといえど遅すぎない? 呼気でも吸気でも遅い!
イメージ Ⅱa      おくれてⅡp
病気:肺動脈弁狭窄症、右脚ブロック

・奇異性分裂・・・ え?Ⅱaが遅く閉まるの?順序逆じゃん!
イメージ Ⅱp  Ⅱa
病気:大動脈弁狭窄症、左脚ブロック

・固定分裂・・・え?息すってもⅡaとⅡpの感覚広くならないじゃん!
病気:ASD (ASDがあるために、もうすでに右房に入る血液の量がいっぱい。息を吸ったとしても右房に流れ込む血液の量は変わらない)

 

 

単一Ⅱ音
僕は 「肺動脈の音ちっちゃい」「相対的に大動脈弁の音でっかい病」と覚えています。

疾患と言えばFallot四徴症(漏斗部狭窄)三尖弁閉鎖症(右房から右室に血液は流れないため、肺動脈の音小さい)などを単一Ⅱ音として覚えてます・・・他の疾患なんかありましたっけ・・・?
国試で単一Ⅱ音が出たぞ! 103A59 - みんなの質問掲示板

大砲音
 3度房室ブロック 完全房室ブロック(P波とQ波が完全にばらばらに動く)でみられる。
P波の音とQ波の音が同時に聞こえると、おっきな音になって聞こえる。
この大砲音は数拍おきに聞こえる!(ここが単一Ⅱ音との違い)

 

姿勢による変動
前かがみになると大動脈弁領域の音が効きやすく
左側臥位になると僧帽弁領域の音が効きやすくなります。

膜型とベル型
聴診器 膜型では高音が聞き取りやすく
ベル型をそっと当てると低音が聞き取りやすくなります、ベル型をぎゅっと当てると膜型と似たような状態となり、高音が聞き取りやすくなるらしい・・・え?じゃあベル型だけでよくないか?