【114回レビュー】医師国試に向けてあらかじめ把握しておきたい 心・技・体③「技」編
医師国試心技体③
こんにちは きよすけです。
この記事では、私 きよすけが第114回医師国家試験を受験して感じたことをまとめています。
前回は国試の仕組み・システムとメンタルについて書きました。
今までの記事はこちら↓
【114回レビュー】医師国試に向けてあらかじめ把握しておきたい 心・技・体① 「体」編
【114回レビュー】医師国試に向けてあらかじめ把握しておきたい心・技・体②「心」編
この記事では、僕が114回国家試験を合格するのに役立った具体的なテクニックと抽象的なノウハウの両方をお伝えします。
この記事はこんな人におススメです!
・第一目標が合格したい!な人
・まず何を勉強すればいいのか迷っている人
・あまり時間とお金をかけたくない人
・ある程度自分の勉強法を確立していて、それに何かを付け足したい人!
具体的なテクニック
・過去問を解く時「バッチリ正解」と「不安なまま正解」に分ける
この記事を読んでいる皆さんも医師国家試験に向け、「過去問を解く」ことになると思います。
書籍になっている問題集でもオンラインで解くweb上の問題集でも、過去問を解いていると基本的に一問解く度に正誤がわかります。
その際に注意していただきたいのが、正解の中にも
「それ以外の選択肢が全部誤りである と分かって選ぶ バッチリ正解」と
「うーん・・・これかな?他のも不安だけど・・・という 不安なまま正解」
の二つがあると言うこと。これらは全然違います!
バッチリ正解はもう長いこと復習する必要はありませんが
不安なまま正解の後はすぐに、なぜ他の選択肢は誤りなのか調べるべきです!
しかし不安なまま正解を復習せずそのままにしている人が本当に多いです。
それは本当に危険、なんなら間違ってしまった方が良いかもしれません。
間違ったらさすがに復習するでしょ?でも正解しちゃったら油断したまま弱点を放置することが多いのです。
もちろん国試本番では他の選択肢が不安なままでも正解できればそれでOKです。
ですが、演習の際に一番大事なことは"正解すること"ではなく"自分の理解できていない点をあぶりだすこと"です。
僕は模試を解く際にも不安な問題の隣には星マークを付けていました。
正誤に関係なく、問題を解いている上で不安を覚えた問題を後から判別しその問題を復習する為です。
・公衆衛生は直近五年の過去問を解く!
昔の問題の解き過ぎは危険です。
理由はシンプル、公衆衛生はめまぐるしく変わるから。
過去問は直近5年でOK!不安なら予備校の各種別売りの講座を追加すればよい!
・できるだけ他の国試受験生と接点を持つ
勉強部屋などが用意される大学の方はきちんと通おう!
用意されない人は「たまにはスタバでやらね?」とか理由つけて誘え!*1
大体国試直前の時期になるとみんなもうやりたいことが終わってるので手持ちぶさたになるんすわ。
「この過去問だったらどこで髄膜炎って疑い始める?」みたいな答えのない論争が急に始まったりします。
でもこれがとても勉強になるんです!
「腫瘍性でも髄液中の糖減るからな~」という友達のつぶやきや
「血液中の糖分の2/3が髄液中の糖のだいたいの目安らしいから血糖も知りたいな」などのつぶやき これマジで一瞬で頭に入ってくるのでおススメ。
国試についての井戸端会議が出来る環境に身を置いておくことを強くおススメします!
・2月後半から3月後半の今!メルカリ・ヤフオクを漁れ!
国試の過去問解説 や 病気がみえる や
有名予備校のテキスト や 解剖学講義(めちゃおススメな教科書)
などがこの国試受験生が引っ越すシーズンには溢れかえります!
古本買取サービスを使っている人も多いから5月くらいでこのフィーバーは続きます。
僕は国試の過去問は一冊も新品で買わず、ぜんぶシリアルが抜かれたヤツをメルカリで買いました!(みんコレ!でオンラインで勉強できて記録も残せるから別にシリアルいりませんでした)
お金かけたくないって方にはおススメですよー!
・2週間ごとに勧めたい範囲を決めろ!
ひと月を最初の2週間、そして後半の2週間とざっくり二等分して
それぞれ「この2週間で到達したい範囲」「その次の2週間で到達したい範囲」を決めよう。
医大生は日ごろから大学の定期テストで鍛えられているので「自分の2週間で進む分量」をとても正確に予測できます。
なのでおススメなのは2週間ごと!
これなら急な飲み会や楽しげなイベントのお誘いが来ても、ペースを乱すことなく遊べるでしょ! 今までの6年間で鍛えあげた帳尻合わせ力をここで見せるのだ!
抽象的なノウハウ
・疾患をグループで覚えろ!
例えば炎症性腸疾患と言えば
クローン病と潰瘍性大腸炎ですよね。
こういうグループを意識して覚えると、定着しやすいです。
模試などでクローン病が出た際、聞かれていないグループメンバーの潰瘍性大腸炎のことも考えてみる。こんな癖がついておけば各疾患の特徴が混ざることなくしっかり整理整頓された知識を身に着けることが出来ます。
拘束性換気障害を起こすのはアレとアレと・・・
とか
自己免疫機序が関わる肝胆膵疾患はアレとコレと・・・
といった具合に、疾患のグループを理解することでしっかりと体系だった知識を得ることが出来ます。こうすると本当に暗記しやすいので、おススメです!
・答えがわからない時は中学・高校の勉強を思い出す
膨大な量ととてつもない範囲の知識が必要となる国試の問題を全て暗記した知識で解くのは無理です。(わかんない 出来る人いるのかな?いたら偉い!すごい!)
なので当日分からない問題にも食らいつく必要があります。
例えば↑の問題は正答率は37%ほど。めっちゃムズイですよね・・・。
この問題は
日本史・世界史の知識を使うのならばであれば
・1955年が戦後ど真ん中であることからこの時期、若者(20-29歳)の間で自殺が増えているのは”戦時中”から”戦後”への価値観のシフトと、経済的不安定であることが大きなストレスになっていたから つまりこれは自殺だな!
という思考法で解けますし
現代社会・政治経済の知識を使うのであれば
・全体的にここ30年程は15年周期で増減している。周期性があるものと言えば景気(ジュグラーの波・クズネッツの波など)だ!
ということで不景気の時に人が死んでいるから自殺だな!
という思考法で解けます。
もちろんこんなの精度の高いあてずっぽうです。
でも適当に選ぶよりはマシ。
国家試験に向けて勉強していく上で獲得したいスキルは二つです。
・問題についての知識を頭に入れて「この問題なら答えはこれでしょ」と言えるようになる
・当日、知識じゃ解けない問題に対して「きっとこれじゃない?」というあてずっぽうの確率を高める
この後者のスキルに中学・高校の理科・社会の知識が役立ちます。
医学は理科 公衆衛生は社会が特に使えますね。
この問題では地理の知識が使えますね。
日本人は平均寿命トップだからこの時点では答えはaとcの二択。
となると①と③の黒丸を比較し、どちらが中国でどちらかがベトナムということになりますが
経済規模を比較すればより一人当たりのGDPが高いのはどちらかを考えれば、経済規模デカいのはやっぱり中国かなと選べるかと思います。
もちろん「一人当たり」のGDPだと人口がめちゃ大きい中国はベトナムより低いんじゃないか?という疑念が湧くかもしれませんが、最近の中国の経済成長はデカすぎる分母もものともせず、分子を大きくしているから安心してaの選択肢を選んでください。
もちろん、”中東の中で独自路線を貫くイスラエルは平均寿命が唯一80を越えている”などの知識でも正解に近づくことが出来ますね。
本当に中学・高校の社会はこのように医師国家試験には役立ちます!
社会がめちゃ得意(現代社会日本一位)な僕はとても助けられました!社会が苦手ではない方はこの発想の練習を、過去問演習や模試を通してやっておくことをおススメします!
以上で僕の国試テクニックはいったんおしまいです。
また思い出したら書きます。
おい! ここ教えろよ!って方は
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医師国家試験 当日の様子です。前後編の二本立て。
【予告編】医師国家試験、受けてみた 前編【東京ヒヤリハット】第0話-19
医師国家試験、受けてみた 後編【東京ヒヤリハット】第0話-20
*1:でも出先では婦人科と皮膚科とかは控えようなっ