現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

ウイルス性肝炎 A型肝炎

他のウイルス性肝炎との違い
・劇症肝炎には至りづらい。
・糞便経口感染(以下に詳しく)
・慢性化もまれ。一度感染すると終生的免疫を獲得する為。
・潜伏期間は2~6週間。
・先進国では、生物(牡蠣など)を食べた者、発展途上国からの帰国者などにみられる。また肛門性交を行うことが多い男性同性愛者もハイリスクグループに属する。
発展途上国では、人の糞便からの井戸などの汚染より、生水の摂取より感染する。

 

糞便経口感染とは
糞、つまりうんちを食べて感染するわけではない。
肝炎ウイルスは肝細胞に親和性を持ち、肝細胞内で増殖する。そうやって増殖したHAVA型肝炎ウイルス)は肝細胞で産生される胆汁を経て糞便と一緒に排泄される。こうして排泄された糞便は下水道によって流されるが、下水道の整備の程度によっては周囲の水の中にHAVが紛れることになる。
下水道が整備されている日本では中々見られないが、立地によっては生水の汚染などもあり得るため牡蠣の生食後などに感染することもある。発展途上国では上下水道の整備がすすむ度にA型肝炎発生が激減することが知られている。

 

診断
IgM型HA抗体陽性の場合、急性A型肝炎と診断をつける。
終生免疫を獲得するため、慢性肝炎は起こり得ず、発症期間はIgM型がIgG型に比べ優位にみられる。(その為、診断にはIgM型を用いる)
IgG型抗体が優位にみられる頃には発症は収まっていると考えて良い。その為IgG型抗体陽性は、HAV既感染(もう治っているということ)を示すこととなる。