現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【腹水】【検査】

けんの一言

リバルタンパクという語呂でもない暗記法に頼るっきゃない。この分野。

 

問題

35歳の男性、一週間前から腹部膨満感を訴え受診。2ヶ月で3kgの体重減少がある。BH165cm,BW50kg眼瞼結膜に貧血を認め、左鎖骨上窩に硬いリンパ節を触知する。肝肺境界の上昇と波動のある腹部膨隆をみとめる。腹腔穿刺をし採取された腹水について予想されるのはどれか?(95G30 編集)

選択肢

a 血性である。利尿薬に反応しにくい。
b タンパクは少ない。細胞成分は少ない。
c 糖は低値である。血性である。
d タンパクは高値である。細胞成分は少ない。

 

 答えは血性である利尿薬に反応しにくいです!

 

癌性腹膜炎は、滲出性腹水なのでタンパクは低値ではありません。(タンパク低値は漏出性腹水) 
漏出性腹水の場合は、滲出性腹水に比べて、利尿薬によって消失しやすいとされています。
滲出性腹水の場合、腹水はかなりシャバシャバな水ですから利尿薬でおしっことして出せる。(おしっこを出すことで血を濃くすれば、血管外に水がいかないというイメージでもOKです)
でも漏出性腹水の場合、血管透過性が亢進してしまっているから、体からおしっこを出しても、どんどん腹水は血管の外に移動してしまうイメージですね。
糖が関わってくるのは髄液とかですね。 

癌の腹膜播種は腹水の細胞診でやることを考えれば、癌細胞とかいっぱいいるのかな?と想像がつくかもしれませんね。