現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【潰瘍性大腸炎】【ステロイド】

けんの一言
本当にweb漫画「腸よ鼻よ」はおすすめですよ。*1

 

問題
すでにステロイド治療を行っている現在重症例の潰瘍性大腸炎患者が、痛みを強く訴えはじめ、Hbも低下を示した。考慮すべき治療法は?(答えは上のツイートに) #けん国試
選択肢
a 栄養療法
b 5-ASA製剤
c 抗TNF-α抗体製剤
d モルヒネ

 

 答えは

抗TNF-α抗体製剤インフリキシマブです。 


重症の潰瘍性大腸炎に対しては、免疫抑制薬や抗TNF—αモノクローナル抗体(インフリキシマブ、アダリムマブ)が薬剤としては保険適用になっており、 
治療法としては顆粒球吸着療法、白血球除去療法があげられます。 
潰瘍性大腸炎の治療法としてはよりメジャーな、ステロイド(中等症に用いる)、5-ASA製剤(サルゾスルファピリジン:軽症に用いる)なども頭に入れておきましょう。使い分けを考慮するためにも、重症度分類も目を通しておきましょう(下痢回数、粘血便、発熱、頻脈、貧血、赤沈上昇)
もう一度まとめると
軽症例 5-ASA製剤(サルゾスルファピリジン
中症例 ステロイド
重症例 免疫抑制薬 抗TNF-αモノクローナル抗体製剤(インフリキシマブやアダリムマブ)


栄養療法は潰瘍性大腸炎には官界導入の効果はありません!(クローン病との鑑別ポイントですね)
もちろん腸にやさしい食生活は大事ですが、それでUCが治ることはないということがポイントです。 


モルヒネに関しては禁忌かもです!
もし中毒性巨大結腸症を合併してたらモルヒネのように腸蠕動を低下させる薬剤は禁忌となります! 

この症例では中毒性巨大結腸症を合併しているかはわかりませんが、痛いからといってモルヒネは危険な思考!「WHO方式三段階除痛ラダー」で検索してみて下さい。 

島袋全優さんの漫画 
「腸よ鼻よ」は漫画としても面白くオススメですよ! https://ganma.jp/chohana

 

 

 

*1:


ただ一つ要注意です!この漫画 食事内容に対する描写が豊富ですが、UCの寛解導入に栄養療法はつながらないという点が重要です。栄養療法で寛解につながるCrohn病との鑑別ポイントですのでそこは注意してください!