現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【偽膜性腸炎】

けんの一言 

僕「あ!これが偽膜ですか?」

先生「それはうんこ」

一同「クスクス…」

 

問題

偽膜性腸炎について正しい選択肢を選べ #けん国試 (102D11改)

a 病原性大腸菌の増殖が原因である
b 突然の下血をきたすことが多い。
c 診断には内視鏡検査を行う
d 治療には広域スペクトル抗菌薬を用いる

 

 

答えは 

 c診断には内視鏡を使うです。

「偽膜」性腸炎というくらいですからその「偽膜」を確認してあげましょう。 

a 病原性大腸菌の増殖が原因である。 
不正解です。原因菌はClostridioides difficile 語源をひも解くと「小さくねじれまがったもの・むずかしい」って意味だそうですよ。確かに診断に内視鏡か便中抗原・毒素検査が必要なこの疾患難しいですよね。 

b 突然の下血をきたすことが多い。 
不正解です。突然の下血はきたしません。虚血性大腸炎(これは突然の腹痛ののちの下血ってイメージですけど)とか、憩室炎とかが国家試験的鑑別ですかね? 

d 治療には広域スペクトル抗菌薬を用いる。  
不正解です。広域スペクトル抗菌薬は原因になることが多いですよー。 


え?ってなっちゃた人は偽膜性腸炎をおさらいしましょう。 

症状:発熱と水溶性の下痢 
原因:抗菌薬の使用による腸管内の菌交代現象。腸管内の菌のパワーバランスを抗菌薬が崩壊させてしまうためにClostridioides difficile(2016年に属名が変わったそうですよ)が異常に増殖し、CDが産生する毒素が原因で起こる腸炎。 
検査:内視鏡による偽膜の確認。便中からの菌・毒素測定。 
治療:まず原因抗菌薬中止。その後下痢による脱水に対する輸液。
そして第一選択薬はメトロニダゾール。バンコマイシンを用いることも。バンコマイシンは内服で用います。バンコマイシンの内服は、偽膜性腸炎の治療、MRSA腸炎の治療と腸管手術の術前準備(preparetion)くらいで、一般的なバンコマイシンの使い方といえばMRSA感染時にMRSAを狙った静注ですね。