現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【子宮体癌】【検査】【進行期分類】【国試本題】

きよすけの一言
子宮体癌って聞いた時に糸球体癌だと思った人挙手!」

 

問題文

65歳の女性.閉経後の性器出血を主訴に来院し、精査を行ったところ子宮体癌と診断された。
次の検査の中で腫瘍の広がりの検索に必要性が最も低いのはどれか.(100C23編)

a 腹部造影CT
b 骨盤血管造影
c 膀胱鏡検査
d 直腸鏡検査

答えは

 

b「骨盤血管造影」です。

 

解説
子宮体癌の術前検査に関する問題です。
子宮体癌の進行度判定の場合重要になってくるのは
頸部へ進展しているか(していたらⅡ期)、リンパ節の転移があるか(していたらⅢ期)、膀胱や直腸へ転移しているか(していたらⅣ期)です。
元の問題(100C23)は不要な検査を選べ。という問いに対し

骨盤MRI
腹部造影CT
骨盤血管造影
膀胱鏡検査
直腸鏡検査

の中から一つ選ぶものとなっています。
・頸部への進展の有無は骨盤MRI
・リンパ節の転移の有無は腹部造影CT
・膀胱直腸への転移のしかたは膀胱鏡検査、直腸鏡検査でみる!

となると不要な検査は
「骨盤血管造影」となります。
骨盤血管造影は侵入奇胎の検査ですね。

 

子宮体癌のざっくり進行期分類
Ⅰ期:子宮体部に留まる
↑単純子宮全摘術or準広範子宮全摘術
Ⅱ期:頸部までおりてきている。
↑広範子宮全摘術
Ⅲ期:子宮外に広がるが小骨盤腔をこえないorリンパ節転移あり
Ⅳ期:小骨盤腔を超えるor膀胱や直腸などの臓器に浸潤
↑子宮全摘術と化学療法・放射線療法
子宮は血流に富むため、出血量を抑えるために摘出することがあります。