現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【ホルモン】【エストロゲン】【更年期障害】

きよすけの一言
「選挙いった!? 俺は行ったよ!!!! 今年は台湾も行きたい!!!」

 

 

答えは

 


「b 卵胞ホルモンを治療に用いる」です

問題

老人性膣炎について正しい文を選べ。

選択肢
a 帯下増加は認めない
b 卵胞ホルモンを治療に用いる
c メトロニダゾールを治療に用いる
d 黄体ホルモンを治療に用いる

 

解説

老人性膣炎(別名 萎縮性膣炎)は更年期障害や治療による卵巣摘出などが原因で起こるエストロゲン不足が引き起こす膣炎です。

ポイントは機序!


・(必ずしも)感染性ではない!
老人性膣炎は(必ずしも)感染性ではないです!
・原因はエストロゲン不足!
エストロゲンがばっちり出ている人では、膣がすべすべもちもちになり、菌にも強くなります。

すべすべもちもちが失われると・・・膣は摩擦で傷みやすくなるため擦れたりするだけで出血を起こしたりします。

菌にも強くなる機序は・・・「エストロゲンを受けて膣でのグリコーゲン分泌が豊富になる→グリコーゲンを栄養にラクトバチルス(デーデルライン桿菌)が膣内で幅を利かせて菌から身を守る」といったものです。これが失われると感染も起こしやすくなります。


症状は

性器痛(性交時痛)、出血、掻痒感などがあがります。
治療は
エストロゲン補充です。膣剤としてエストロゲンを膣に局所投与することが多いです。この場合、E依存性の癌(子宮体癌や乳癌)のリスクにはならないことが知られているのでプロゲステロンは用いなくてもよい、また定期的な乳癌の検索も必要ないとされています。
もし感染を併発している場合、原因菌に応じた治療を行うこともあります。(ただエストロゲン投与で割と膣の自浄作用が高まるので治ることが多いです)

http://www.midorii-clinic.jp/img/100917_21.pdf

 

a 帯下増加は認めない
誤り

炎症を起こしやすいので帯下増加を認めることもあります。
感染を併発することもあると考えると消せる選択肢ですね。
b 卵胞ホルモンを治療に用いる
正しい
卵胞ホルモンはエストロゲンの事。
この混乱のさせ方は国試で一度出題されています(91B62)
c メトロニダゾールを治療に用いる
誤り
原虫感染を起こしていたら使いますが、いつだって使うとは限らないですよね。
d 黄体ホルモンを治療に用いる
誤り

治療に用いるのはエストロゲン(=卵胞ホルモン)ですね。プロゲステロンではありません。老人性膣炎とともに更年期障害を認める場合は用いることもあります。