【TORCH】【胎児発育不全】
きよすけの一言
「推薦状ってな・・・に・・・?」(現在 マッチング締め切り5日前)
妊娠32週0日の胎児が発育異常を指摘された。超音波検査で児は男児で、児頭大横径〈BPD〉は77mm、腹囲〈AC〉は24.5cm、大腿骨長〈FL〉は55mm、推定児体重は1,290gである。
— きよすけ@医師国試対策アカウント (@swns6) July 25, 2019
この病態について正しいものを選べ。(104E51編) #けん国試
答え
「b 胎児は均衡型発育不全と考えられる」
問題文
妊娠32週0日の胎児が発育異常を指摘された。超音波検査で児は男児で、
児頭大横径〈BPD〉は77mm、腹囲〈AC〉は24.5cm、
大腿骨長〈FL〉は55mm、推定児体重は1,290gである。
この病態について正しいものを選べ。(104E51編)
a クラミジアトラコマティスが関連する
b 胎児は均衡型発育不全と考えられる
c サイトメガロウイルスの経産道感染が考えられる
d 体重は週数と比べ正常である
解説
まずは胎児のデータがこんなに示されているので、それぞれを評価していきましょう。
まずは体重を考えます。
体重は正常は30週で1500g そこから+-3週ごとに500g増減します。
そう考えると、32週のこの子は 2000g弱あっていいはずの体重が1300gほどしかありません。
となると胎児発育不全が疑われますね。
児頭大横径(BPD)は週数を4で割ると正常値がでます、32週のこの胎児は80mm ほしいところが77mm。77を4で掛け算すると30.8週 ちょっと小さめですよね。
体重軽くて、頭も小さい、均衡型の胎児発育不全が考えられます。
均衡型の胎児発育不全の場合、考えられるのは胎児側の問題です。
染色体異常や、先天奇形、感染症、アルコール中毒*1 ですね。
ちなみに不均衡型、つまり頭は大きい(正常なまま)の胎児発育不全の場合は、胎盤・母体因子を考えます。*2
胎児発育不全の胎盤・母体因子といえば妊娠高血圧症候群や喫煙などが挙げられます。
a クラミジアトラコマティスが関連する
誤り。クラミジアはTORCHではない。胎児に対するダメージではなく、不妊・異所性妊娠の原因となる。
b 胎児は均衡型発育不全と考えられる
正しい。
c サイトメガロウイルスの経産道感染が考えられる
誤り。元の問題では「サイトメガロウイルスが関連する」という選択肢が正解ですが
まだ生まれていませんし、サイトメガロウイルスは経胎盤感染です。
TORCHの中で経産道感染するのはヘルペスだけ!
T トキソプラズマ
O(otherなのでこれはまぁ・・・深追いしないで放置しましょう 梅毒やパルボウイルスB19がotherの中でも経胎盤感染します)
R 風疹
C サイトメガロ
これらは全部経胎盤感染です。
d 体重は週数と比べ正常である
誤り。体重は週数と比べると軽すぎます。