【インフルエンザ】【妊婦】【国試本題】
きよすけの一言
「インフルエンザかかったことのない人の
「私インフルエンザかかったことないよ」という謎のプライドの高さは異常」
問題
32歳女性。妊娠37週。発熱と呼吸器症状とを主訴に来院した。1日前から全身倦怠感を自覚。前夜体温は36.8℃。今朝、全身倦怠感増悪とともに、咳と熱感とを自覚。意識清明。体温38.4℃。インフルエンザウイルス迅速抗原検査でA型陽性であった。最も相応しい対応を選べ (105E60縮) #けん国試
選択肢
a 緊急入院
b 緊急帝王切開
c 抗インフルエンザ薬投与
d NSAID投与
答え
「c 抗インフルエンザ薬投与 」
解説
a
誤りです。
緊急入院? 必要ありますかね・・・?
ただ必要ない!と言いきることもできません。
熱があって意識清明としか書いてないんで、なんとも言えない。が正解ですよね。
国試で何とも言えない選択肢をみたら他の選択肢を見てみてください。
最もふさわしい選択肢があなたに選ばれたそうにこっちをみていると思いますよ。
b
誤りです。
緊急帝王切開もaと同様です。
ただ・・・これはもっと思いとどまる必要ありますね。
緊急帝王切開のハードルは高く、そのハードルを越えてくる疾患(HELLP症候群とか出血がある前置胎盤とか、常位胎盤早期剥離とかですね)を頭に入れておきましょう。
c
正解です。
意外かもですが、オセルタミビルは妊婦さんに使えます。
ビビらず使いましょう。
またオセルタミビルは発症後48時間以内に使いましょう。今回は1日前に全身倦怠感を感じているので、そのタイムリミットにも間に合っていますね。
d
誤りです。
禁忌選択肢ではないでしょうか?
NSAIDはアラキドン酸カスケードにかかわるシクロオキシゲナーゼを阻害して、プロスタグランジンを産生できなくさせる薬です。
PG(プロスタグランジンのこと)の一つPG E2は、胎児の体の中で胎児循環を支えている動脈管を開いたままにする働きをしています。なので妊婦さんにNSAIDを投与すると、PG E2が胎児の体内で低下するので動脈管が閉鎖してしまいます。という訳で妊婦さんへのNSAIDは禁忌です!
32歳女性。妊娠37週。発熱と呼吸器症状とを主訴に来院した。1日前から全身倦怠感を自覚。前夜体温は36.8℃。今朝、全身倦怠感増悪とともに、咳と熱感とを自覚。意識清明。体温38.4℃。インフルエンザウイルス迅速抗原検査でA型陽性であった。最も相応しい対応を選べ (105E60縮) #けん国試
— きよすけ@医師国試対策アカウント (@swns6) June 3, 2019