現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【英語】

きよすけの一言
「誰か僕を7時に起こしてくれ」

 

問題文
pulmonary thromboembolismを示唆するものはどれか?

選択肢
a PaCO2上昇
b Dダイマー上昇
c 心陰影の縮小
d 長時間運動後の発症

 

答え

 「b Dダイマー上昇」

 

さていきなりの英語出題・・・。
pulmonary thromboembolismはなんの疾患を意味するのかわかりましたか?
肺塞栓です。 漢字で対応させると pulmonary(肺) thrombo(栓)embolism(塞)ですね。
肺塞栓の特徴
突然の呼吸困難をきたします。突然の発症は血管構造の破綻、塞栓の特徴ですね。肺塞栓も突然の呼吸困難ですからその特徴にあてはまりますが、そのメカニズムは体内でできた血栓が飛んで肺動脈を閉塞させることで起こります。
肺動脈の先が詰まるので、心音のⅡpが亢進します。また検査値としては血栓ができていますのでD-ダイマーやFDPが上昇します。(ちなみにFDPはフィブリン分解産物fibrin degradation productです)
血ガスとしてはPaO2低下、そしてPaCO2は低値のままを示すので1型呼吸不全に分類される結果を示します。
心エコーではあまり特徴的な所見はありませんが、心筋梗塞など他の疾患との鑑別をする上では重要な検査です。
胸部造影CTで肺動脈中の血栓を確認したり、や血流シンチグラフィと換気シンチグラフィのミスマッチを確認することが診断の決め手になります。(換気シンチグラフィは肺の形なのに、血流シンチグラフィは途絶えている部分がよく見えない!というのがシンチのミスマッチですね)
治療はまずは呼吸状態の安定化を図り、酸素投与を行いながら抗凝固療法を行います。
抗凝固療法としてはヘパリン投与が、また血栓溶解療法も行われます。

a
誤り。
PaCO2は上昇しません。呼吸不全でPaCO2が上昇するのは、COPDや気道閉塞、呼吸中枢の障害などですね。
b
正しい。
血栓があるから起きる病気ですのでDダイマーは上昇しますね。
c
誤り。
胸部レントゲンはあまり特徴的な所見を示すことはありませんが、どちらかというと心陰影は拡大しがちですね。(肺動脈圧が上昇するので心臓も頑張っちゃいますからね。肺血管陰影は縮小傾向にあります。
d
誤り。
長時間臥床後の発症が特徴的なエピソードです。別名エコノミークラス症候群ということからも有名ですね。飛行機での長時間旅行後や、手術後などの発症が多いとされています。

 

ちなみに1型呼吸不全(酸素吸えない 二酸化炭素は吐ける)と2型呼吸不全(酸素吸えない 二酸化炭素も吐けない)の違いですが、
僕は電車のイメージで覚えています。
酸素と二酸化炭素はそれぞれ肺胞駅で満員電車へと乗り換えるサラリーマンです。
気弱で優しい酸素さんは駅が混んでたり、急な乗り換え等ですぐに混乱して乗り換えにミスしますが、二酸化炭素さんはデキるリーマンなので電車(空気)さえ駅につけばどんな状態でも電車に乗ります。
なので二酸化炭素が電車に乗れなくなるのは(O2不足ってだけでなくCO2も体内に溜まる2型呼吸不全になるのは)電車が駅に来ない場合のみです。つまり遠くの駅で電車(空気)が止まっている上気道の閉塞(COPDや喘息)や、そもそも停電で電車(空気)が動いていない呼吸運動の低下(進行性筋ジストロフィーや呼吸中枢障害)などが挙げられるかと。

ここまで長々とたとえ話を続けましたが、「肺胞に空気さえ届く状態ならCO2は勝手に出ていく!」 と僕は覚えています!

 

 

【肺塞栓】