【じん肺】【労働災害】【公衆衛生】
きよすけの一言
「アスベストが竹取物語に出てくる火ネズミの皮衣ですって聞いた時感動した。燃えないもんね」
問題文
じん肺について説明した文の中で誤っているものを選べ #けん国試
選択肢
a 珪肺では肺門リンパ節に一致した卵殻状石灰化を認める
b 珪肺では肺結核をはじめとした感染症に対し易感染性を示す
c アスベスト肺には胸膜中皮腫・肺癌が続発する
d じん肺検診では、症状を有する暴露を受けた者が対象となる
答え
「d じん肺検診では、症状を有する暴露を受けた者が対象となる」
じん肺はグループ名なので、そのじん肺に含まれるものをちゃんと分けて覚える必要があります。
主な疾患としては珪肺と石綿肺(アスベスト肺)があります。その他には珪酸化合物(滑石肺)、アルミニウム肺、酸化鉄肺(アーク溶接工に多い)、炭肺(炭粉が原因)が挙げられます。
a 珪肺では肺門リンパ節に一致した卵殻状石灰化を認める
正しい。
その名の通り、卵みたいな形の石灰化を肺門リンパ節の位置に認めるのが珪肺の特徴です。
b 珪肺では肺結核をはじめとした感染症に対し易感染性を示す
正しい。
珪肺は結核を続発しやすいことが知られています。結核だけでなくその他の感染症にも注意が必要です。
c アスベスト肺には胸膜中皮腫・肺癌が続発する
正しい。
アスベストが問題になった原因がこれです。
胸膜中皮腫、肺癌が続発症として認められたため使用が禁じられた訳ですね。
d じん肺検診では、症状を有する暴露を受けた者が対象となる
誤り。
検診なのですから、症状のない人にも行わなければ意味がないですよね。呼吸機能障害がある場合は療養が措置として取られます。
国試によくでるのは、珪肺と石綿肺なのでこの二つをまとめましょう。
珪肺
・鉱山労働者に多い。
・病変は上肺野に多い。
・肺結核などの感染症や肺癌を続発することが多い。
石綿肺
・建設業者、港湾労働者、自動車の組み立て工場、ボイラー関連などに多い。
・病変は下肺野に多い。
・胸膜プラーク、胸膜中皮腫、肺癌を続発することが多い。
ちなみにこの二つは職業のエピソードを職種で覚えると大変です。
なので原因物質の特徴と特性を把握しておくとわかりやすいですよ。
珪酸・・・岩石などに多く含まれます。
石綿・・・軽くて遮音性、耐熱性に富む物質です。(なので家の壁や、車のボディ、ボイラー、造船などに使われているわけですね)
それぞれどこで出くわしやすいか、どんな用途で使われているかで覚えてしまいましょう。
問題文
— きよすけ@医師国試対策アカウント (@swns6) June 11, 2019
じん肺について説明した文の中で誤っているものを選べ #けん国試