現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【外科的気道確保】

問題
外科的気道確保について正しい文を選べ #けん国試

選択肢
a 甲状腺を切開してはいけない
b 緊急の場合、輪状軟骨の上で切開する
c 小児の場合特にためらわず実施する
d 気管支鏡はガイドに用いることが出来ない

 

答え

 「b 緊急の場合輪状軟骨の上を穿刺する」

 

解説 
外科的気道確保には2種類ありまして、
気管切開と
輪状甲状軟靱帯切開の2つです。

それらをまず緊急時 、成人時、小児で切開する部位を分けて覚えましょう!
緊急時 輪状甲状靭帯を切開する

緊急を要しない状況で、気道確保のために という時
成人 第2・3気管軟骨間を切開する
小児 下気管を切開する

 

そして適応ですが
緊急時
・上気道の閉塞
・上部気管の閉塞
緊急を要さない時
・その他(人工呼吸管理目的)
などが挙げられますね。

分類は上記の通りですが
・舌、喉の筋肉の麻痺
・痰が吐けない場合
・両側の反回神経麻痺
が起こっている場合などに考慮する手技であると覚えると楽かもですね

またtipsとして
「皮膚は縦でも横でも良いのに対し、気管壁は、縦、もしくは逆U字に切開する」
甲状腺は避けれるなら避けるが、別に切っても良い」(例えば外傷がある時などは、そこを避けて甲状腺を切開しても良いということですね)
という点は押さえておきましょう。

歯科医師国家試験でも
http://medillust.net/kakomon-chart/dental/109_c/098

http://medillust.net/kakomon-chart/dental/109_a/094

こういった問題が出題されています。
ステキなイラストや重要な写真が載っていますのでぜひぜひ目を通してみてください。

 

a 甲状腺を切開してはいけない
誤り。切っちゃう時は切っちゃいます。

b 緊急の場合輪状軟骨の上で切開する
正しい。輪状軟骨の上は輪状甲状靭帯ですから正しいですね。

c 小児の場合特にためらわず実施する
誤り。小児は気管切開後、肉芽種を形成してカニューレ抜去困難症をきたしてしまいますので慎重に考慮しましょう。

d 気管支鏡はガイドに用いることが出来ない
誤り。
用います。エコーガイドの他に気管支鏡ガイドがあります。


〈追記〉
正しくは
外科的気道確保の中の
・輪状甲状靭帯切開(穿刺もある)
・気管切開 である

ツイッター
もなさん
雪さんからご指摘を受けました。
同じような手技だからこそ、僕みたいに混同してはいけませんね。たしかにご指摘の通り輪状甲状靭帯切開の場合は気管は切りません。お恥ずかしい限りです!
詳細は問題ツリーにぶら下がっていると思いますのでご確認ください。
もなさん
雪さんご指摘ありがとうございました!