現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【甲状腺ホルモン】

きよすけの一言
「サイロキシンとトリヨードサイロニン
サイロキ4ン と tri 3ヨード3イロニン」

問題
サイロキシンT4 と トリヨードサイロニンT3 生理活性が強いのはどっち?
さっくり #けん国試

 

答え

 


「生理活性が強いのはT3トリヨードサイロニン」です。

 

T4とT3 この数字は何か知っていますか?
分子の中に含まれるI ヨウ素原子の数です。

サイロキシンとトリヨードサイロニンはそれぞれ
変身前と変身後の仮面ライダーのような関係で、酵素によって変換を受けて生理活性が強くなるものですよね。となると
もし、T3 トリヨードサイロニンが変身前で、T4 サイロキシンが生理活性が強いホルモンだったら T3をT4にする為には、運よく血中なり細胞なりで余ってるI ヨウ素が用意できていないとだめですよね。

T4が変身前、T3が変身後で力を発揮する。という仕組みにしておけば
I ヨウ素と出会えるのを待つ必要もなく、 Iを除去できる酵素をあらかじめスタンバイさせておけばそれだけで十分ってことになりますよね。

人間の体というのは基本こういう風に
何かを取り除くことで「活性化」というシステムになっていることが多いです。
インスリン(=Cペプチド+インスリン)なども Cペプチドがインスリンから離れると活性化しますもんね。

なので 生理活性が強いのはトリヨードサイロニンです。

この特徴を知っておけば
慢性甲状腺炎(橋本病)の患者さんなどに甲状腺ホルモンを投与する場合も
いきなり生理活性が強いトリヨードサイロニンを入れるのではなく
体内で必要に応じて返還されるサイロキシンを投与する というのは納得ですよね。