現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【けん国試ベース】【腎臓内科】

けん国試ベースとは・・・

 

国試を解いていく上で「いやそれはもう知っておかないとどうしようもないよ」となる前提知識のことである。
勘違いしないでほしいが医学生として知っていて当然の知識では決してない。

当日、思いつくのは無理。これは覚えていこうね、という知識を指す造語である。

 

・急性腎不全の中で、腎前性・腎性の鑑別
BUN/Cr比が 20以上→腎前性。 20以下→腎性
FENaが 1未満→腎前性。1以上→腎性
尿浸透圧 濃いめ→腎前性。体質に近め→腎性

 

ネフローゼは4つ(合併症でネフローゼを呈すものを除く)

 【予後】良→               →悪
【年齢】 
   若 微小変化型ネフローゼ症候群、巣状糸球体硬化症
   ↓  
   老 膜成腎症、         膜性増殖性糸球体硬化症
 
微小変化型ネフローゼ:予後いい。蛋白尿の選択性高い。治療ステロイドが著効。でも再発しちゃう
巣状糸球体硬化症:予後悪い。蛍光法でIgM、C3沈着を認める
膜成腎症:予後いい。二次性の場合、B型肝炎、悪性腫瘍、薬(ブシラミン)SLE、RA、梅毒が原因となる。蛍光法でIgGの沈着を認める。
膜性増殖性糸球体腎炎:予後悪い。補体低下。蛍光法でIgG、IgMで認める。

・糸球体腎炎
急性:溶連菌感染後糸球体腎炎:安静で治る。ステロイドを用いない。Ⅲ型アレルギー。感染症から2週ほどあけて腎症が発症。

慢性:IgA腎症:予後悪い。腎不全になっちゃう。感染症と重なって腎症が発症。

 ・クレアチニンリアランスの近似値の計算の仕方。(今後クレアチニンをCrと書きます)

血清Cr濃度×Crクリアランス(1分間)=尿中Cr濃度×1分間尿量
Crクリアランス=尿中Cr濃度×1分間尿量/血清Cr濃度

96G97
血清クレアチニン値1.7mg/dl 、1日尿量720ml、尿中クレアチニン濃度200mg/dlの場合、クレアチニンリアランスの近似値は・・・

解法
Crクリアランスは一分間の値なので、1日尿量を1分間尿量に変換する。
1日尿量720は 1分間尿量は0.5
Crクリアランス=0.5×200/1.7=58.8・・・

・FENa(ナトリウム分別排泄量)、FEUAの計算の仕方。

106I80 
高尿酸血症の患者さん
尿所見pH 5.5 クレアチニン80mg/dl 尿酸34mg/dl
血液生化学所見:クレアチニン1.0mg/dl 尿酸8.0mg/dl

FEUAの計算式
FEUA=尿中尿酸濃度×尿量/血中尿酸濃度×GFR
   GFRをCrクリアランスで近似する
FEUA=尿中尿酸濃度×尿量/血中尿酸濃度×Ccr

   =尿中尿酸濃度×尿量/(血中尿酸濃度×尿中クレアチニン濃度×尿量/血中クレアチニン
   =尿中尿酸濃度×血中Cr濃度/血中尿酸濃度×尿中Cr濃度
   =34×1/8×80
   =5.3%

 

・補体が低下する腎疾患
溶連菌感染後糸球体腎炎
膜性増殖性糸球体腎炎
ループス腎炎 とレアキャラだけどコレステロール塞栓も低下する。

・低Na血症と低K血症、高Na血症と高K血症の話
症状
低Na:頭痛、悪心、嘔吐(脳浮腫)けいれん、意識障害
高Na:易興奮性(細胞内脱水)、けいれん、意識障害
低K:脱力発作、四肢の筋力低下、腎性尿崩症(高Caも呈す)、腸管運動低下、耐糖能異常、U波、不整脈
高K:テント状T波、QRS延長、P波消失。心停止、心室細動
機序
Naは血中で140くらいある。Kは3とか4。
それぞれの血中濃度はそれらの値を体液量で割り算する。
となると、血中Na濃度は分子がめちゃ大きくなり、血中K濃度は分母がめちゃ大きいということになる。
低Na血症(Kも)も高Na血症(Kも)も濃度の話であり、NaとKの絶対量が注目ポイントとはならない。
高校時代の数学の感覚を思い出すと、分数の大小に影響を与えたければ、分母と分子の内小さい値の方をいじる方が効率がよい。
Naの話
血中Na濃度においては分子がクソでかく、分母が相対的に小さくなる。
なので血中Na濃度は分母 つまり 水の出入りに左右されることになる。
体内において水の出入りを管理しているのはADH。 よって
ADH作用大→低Na血症 ADH作用小→高Na血症 となる。
Kの話
血中K濃度においては、分母がクソでかく、分子が相対的に小さくなる。
なので血中K濃度は分子 つまり Kの出入りに左右されることになる。
体内においてKの出入りを管理しているのはアルドステロン。 よって
ALD作用大→低K血症 ALD作用低→高K血症 となる。

 

高K血症治療薬
・グルコン酸カルシウム
・炭酸水素ナトリウム
グルコースインスリン療法GI療法
・イオン交換樹脂(ケイキサレート・カリメート)
・透析

 

・正常糸球体

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 尿細管疾患 
Fanconi症候群、Barter症候群、Gitelman症候群、Liddle症候群、腎性尿崩症。

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・透析の導入年齢は今上昇しており、69.7歳。若い透析患者は今少ない。
腹膜透析は全体の2.7%ほど。