現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【国試本題】

きよすけの一句
「入れるたび こぼれる知識 最上川   きよすけ」
問題文
60歳男性。本日夕方からの下口唇の腫脹と軽度の呼吸困難を主訴に来院。咽頭痛、嚥下時痛はない。高血圧があり、ACE阻害薬を服用中。脈拍72/分、血圧130/80mmHg、呼吸15/分、SpO2 97%(room air)  まず行うべき検査はどれか。(108G47)

a 頸部CT
b パッチテスト
c 喉頭内視鏡検査
d リンパ球刺激試験

答え

 
「c 喉頭内視鏡検査」

解説
唇が腫れて、ACE阻害薬の服薬歴あり。
となると頭にうかべたいのが Quincke浮腫(血管性浮腫)
・特発性のもの
・薬剤によるもの:ACE阻害薬など
・遺伝性のもの (これには遺伝性血管性浮腫HAEと呼ばれます。C1インヒビター欠損や機能異常が引き起こすことなどで有名ですね)
などがあります。

症状は目と唇がもうブリブリンに腫れます。そして同様に腫れているんですが目に見えないのが喉頭浮腫。気道が完全に閉まりかねないので、命の危険がある病気がQuincke浮腫です。
治療はそれぞれQuincke浮腫の種類に応じて原因薬剤を中止したり、トラネキサム酸を投与したり、C1インヒビターを投与したりします。(ポリクリではこのC1インヒビター治療を激押しされました。「国試に出るかは知らないけどこれホント凄いんだよ!」と熱弁されました。国試に出るかはハッキリさせておくれよ~。)

今回の症例では
気道狭窄の恐れがあるので、目に見えない部分である気道を見に行こうという訳ですね。
ただこの行為は気道狭窄を励起、悪化させかねません。
危険だけど、見に行って評価しないといけない。それくらい喉頭のチェックは重要ということですね。

a 頸部CT
誤り。まぁ喉頭はチェックできますけど、CT撮っている間に気道が狭窄し始めたら大変!ということで消える選択肢ですね。論外!ってわけではないと思います。
b パッチテスト
誤り。関係ないです。パッチテストは4型アレルギーの検査です。
c 喉頭内視鏡検査
正しい。
d リンパ球刺激試験
誤り。4型アレルギーの検査です。

 

 

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【Quincke浮腫】