現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

糖尿病治療薬のまとめ

自分のために糖尿病治療薬をまとめました。

 ・インスリンを優先する条件
インスリン依存状態
糖尿病昏睡
妊娠中
ステロイド治療中

以下、糖尿病治療薬入場!(バキ地下闘技場編リスペクト)

 

インスリンを出す
・スルホニル尿素薬 (SU薬)
 膵臓のβ細胞にはスルホニル尿素受容体があるので、そこを刺激して膵β細胞からインスリンを分泌させる。ぎゅっっと無理させる。2型に使う。1型に禁忌。膵にむち打ちするイメージ。効果が強くて、低血糖を来し易くて、下手に使うと膵臓がヘタってむしろ疲れてしまう。
・グリニド薬
スルホニル尿素薬同様、膵臓のスルホニル尿素受容体を刺激する。グリニド薬はSU薬よりも早く効く。

・DPP-4阻害薬
DPP-4は インスリン分泌を応援してくれるインクレチン(GIP、GLP-1の二つがある。小腸から分泌される。膵臓のβ細胞のインスリン分泌を促進してくれる)を分解する。
DPP-4阻害薬は 「おい DPP-4! インクレチンを壊すな! インクレチンは膵臓のβ細胞を応援してるんだ! お前がインクレチンを壊すと膵臓が頑張れないだろうが!」と DPP-4をしかりつけることで(阻害して)膵臓インスリン分泌を促します。

 

・GLP-1受容体作動薬
他の薬が経口摂取の中、こいつだけ(ほとんど)経口じゃないです! *1

DPP-4阻害薬で説明したインクレチンの一つ、GLP-1の受容体を刺激することで膵臓インスリン分泌を促します。
僕は勝手にGLP-1受容体作動薬 熱いと思っています。なぜかって? 「GLP-1受容体作動薬のgoogle検索結果」を見て頂けたらわかりますが、今自費診療でダイエットに用いる病院が多いからです。(食欲の減退という副作用があり、痩せることもあるそうですよ、どうかと思いますけどね)


インスリン抵抗性を改善させる

・チアゾリン薬
筋肉、肝臓に働きかけてインスリン抵抗性を改善させる。
浮腫、心不全に注意。

・ビグアナイド薬
肝臓での糖新生を抑制する(→もちろん血糖値が下がる)効果があり、他にインスリン抵抗性を改善させる効果もあります。
乳酸アシドーシスに注意(特にCTの造影剤使用時やアルコール大量摂取時に注意!)、腎不全、肝障害に注意。

糖の吸収を穏やかにする。

・αグルコシダーゼ阻害薬
αグルコシダーゼは腸管にいる酵素で、食べ物に含まれて、つながっている糖をチョキチョキカットして、糖を吸収しやすい形にして腸管で糖を吸収する働きをしています。この薬はそのαグルコシダーゼを阻害することで糖の吸収を阻害します。
なので、下痢などの消化管障害を来します。

 

糖を体から出す!
・SGLT2阻害薬。
腎での糖の再吸収を阻害することで、血糖値を低下させます。
糖尿病の治療を糖尿で解決する。すごい発想。
副作用は尿路感染症。栄養いっぱいの尿が流れるのでバイキンが喜んじゃう訳ですね。

 

【経口血糖降下薬】

*1:唯一の経口GLP-1受容体作動薬が今のところ承認中です。