現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【高血圧】【国試本題】

きよすけの一言
セブンイレブンのチョコラスク美味しいよね! と父に言ったら悲しい顔されました(父は元ローソン勤務)」

問題
26歳の女性。高血圧を検診で指摘され来院した。脈拍72/分、整。血圧(右上肢) 176/98 mmHg。心音に異常を認めない。上腹部に血管性雑音を聴取する。血液所見:赤血球450万、Hb13. 4 g/dl、Ht42%、白血球4,200、血小板24万。血液生化学所見:尿素窒素16mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、総コレステロール160mg/dl、Na142mEq/l、K3. 0mEq/l、Cl98mEq/l、アルドステロン60ng/dl(基準5-10)、血漿レニン活性〈PRA〉16ng/ml/時間(基準1.2-2. 5)。CRP3. 8 mg/dl。(105D26)
最も考えられるのはどれか。
選択肢
a Liddle症候群
b Bartter症候群
c 大動脈炎症候群
d 原発性アルドステロン症

答え

 「c 大動脈炎症候群」

この患者さんの情報でチェックするべきなのは
若い女性、高血圧(右上肢で測定)、Na正常値、Kやや低値、アルドステロン高値、レニン高値、CRP上昇。

a Liddle症候群
誤り
矛盾ポイント アルドステロン高値
Liddle症候群だと、アルドステロン低値のはず。アルドステロンが命令していないのに集合管が勝手に働いて水とNaが再吸収され、Kが排出されるという病気ですよね。
b Bartter症候群
矛盾ポイント高血圧
ヘンレのループの太い上行脚がNaの再吸収をサボっている病気です。Gitelman症候群と同様、続発性アルドステロン症をおこしますね。やっぱりKが排出されますけど、血圧はあがりません。
c 大動脈炎症候群
腎動脈が狭窄して、腎臓が「あれ? 血流途絶えてない?血圧低くね?」と勘違いした腎臓がレニンをドバドバ、それによってアルドステロンもドバドバ。血圧もぐんぐん上昇というわけですね、ピッタリ。
d 原発性アルドステロン症 
矛盾ポイント レニン高値
アルドステロン高値。レニンは低値のはず。

大動脈炎症候群
若年女性に多い! 上行大動脈、鎖骨下動脈、総頚動脈などの太い血管で炎症を起こして狭窄が生じます。
発熱や全身倦怠感なども呈し、全体的にぼんやりとした主訴になることが多い疾患です。

血管造影、MRAなどでしっかり動脈の狭窄を見つけてあげるのが診断のキモですね。
治療方法はステロイド療法。炎症により大動脈に瘤を生じたりした場合などは手術も検討されます。

 

105D26 - みんなの質問掲示板

 

血管炎症候群のまとめ
・大血管炎
大動脈炎症候群(高安病)
側頭動脈炎

・中血管炎
結節性多発動脈炎
川崎病

・小血管炎
IgG血管炎
クリオグロブリン血管炎
低補体蕁麻疹様血管炎
(ANCA関連血管炎)
P-ANCA(MPO-ANCA)
顕微鏡的多発血管炎
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
C-ANCA(PR3-ANCA)
多発血管炎性肉芽腫症