現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【PRL】【プロラクチン】

きよすけの一言
心因性多飲ですわぁ僕」

問題
高プロラクチン血症をきたすのはどれ?
選択肢
a SIADH
b 副腎性クッシング症候群
c 原発甲状腺機能低下症
d 褐色細胞腫

答え

 c 原発甲状腺機能低下症

 

プロラクチンに関わるホルモンは2つ
ドパミンとTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)
ドパミンはプロラクチンを邪魔していますし
TRHはプロラクチンを促進します。

 

高プロラクチン血症の原因!
1プロラクチン産生腫瘍がある
ドパミンがいなくなる、働きなくなる
3TRHが増える

1プロラクチン産生腫瘍がある
プロラクチノーマ、またGH産生腫瘍が同時にプロラクチンを産生することもあります。
ドパミンがいなくなる、働きなくなる
ドパミン作用がある薬を用いる(例 抗精神病薬抗うつ薬、制吐薬)
3TRHが増える
甲状腺機能低下症などがあると、頑張れ!とTRHがどばどば出て結果、プロラクチンがドバドバ出ます。


 

よって甲状腺機能低下症では高プロラクチン血症を認めます。

 

またドパミンが関わるのはプロラクチン以外だと、成長ホルモンです!

なのでドパミンは成長ホルモンが出まくる、先端巨大症で大事になってきます。


健常時
ドパミンは下垂体には抑制的に働きかけます。

ドパミン「下垂体君! 成長ホルモンは出さんとってな!」
下垂体「うす! 出しません!おとなしくしておきます!」

 

ただドパミンは下垂体君の上司、視床下部には成長ホルモン放出ホルモンを出せと働きかけます。


ドパミン視床下部君! 成長ホルモン放出ホルモン出してくれな!」
視床下部「うす! 下垂体の奴にはしっかり出せとメール(成長ホルモン放出ホルモン)で送っておきます!」

 
あれ?ドパミンの命令矛盾してない? となりますね。そうなんですよ。
下垂体君はドパミンからは「成長ホルモンを出すな!」と言われ
同時に直属の上司である視床下部からは「成長ホルモン出せ!」と言われる訳です。
下垂体君はこの時、直属の上司の命令を優先します!
つまり・・・健常時 ドパミンが出ると、成長ホルモンは出ます!

 

先端巨大症の時

健常時と同様、ドパミン視床下部(上司)には成長ホルモンを放出することを促進させる動きをします。

ドパミン「成長ホルモン放出ホルモン出して、下垂体君励ましたってな!」
視床下部「うっす! 下垂体には メール(成長ホルモン放出ホルモン)出しておきます!」

 これは健常時と一緒。でも先端巨大症の時には 下垂体君はもう正気を失っています。上司からの命令なんて一切聞きません。
ドパミンはやっぱり下垂体君には、抑制的に働きかけます。

正気を失った下垂体君「オレ・・・ホルモン・・・ダス・・・」
ドパミン「おい! お前成長ホルモン出すなよ! おい!お前止めろ!こら! 殴るぞ!!!」

 

下垂体君はもう正気を失っているので、遠くにいる上司の命令なんて聞いていません。
でも正気を失った下垂体君はドパミンには直接ボコられてしまうので、GH産生を止めます。
つまり、GH産生腫瘍においてドパミンが出ると、成長ホルモンは止まります。ドパミンが治療に用いられる理由がこれです!