現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【常位胎盤早期剝離】【前置胎盤】【癒着胎盤】

きよすけの一言
「ワイは小児産婦の鬼になる 鬼になる!!!」

 

問題
常位胎盤早期剝離(選択肢a,bで言及)前置胎盤(選択肢c,dで言及)について説明した文で正しいものを選べ #けん国試
選択肢
a 警告出血を認める
b リスクとしてPIHがある
c 定期的に内診を繰り返しモニタリングを行う
d 早期発見を行う為妊娠14週ごろから検索を行う

 

答え

 「b リスクとしてPIHがある」

 

解説

常位胎盤早期剥離(痛い)
・概略
普通最後にはがれるはずの胎盤が、最後以外のタイミングで子宮からはがれ始める疾患。
・リスク
妊娠高血圧症候群や外傷などで腹部を強く殴打した場合。絨毛膜羊膜炎などがあります。前期破水も!
・検査
遅発一過性徐脈を認めたり、超音波で胎盤の外側(剥がれ始めてうまれるスペース)にエコーフリースペースを認める。DICが起きてる場合はDICに応じた血液検査所見を呈します。
・治療
帝王切開、吸引鉗子分娩。
DICなどに応じて対症療法を行います。

 

前置胎盤・・・痛くない
概略
胎盤が子宮口に近く位置する。見た目としては妊娠24週ほどまでは健常な場合でも胎盤は低く位置するように見えるので「妊娠24週以降」でも胎盤が低く見えた場合に診断がつく。警告出血という無痛性の出血を認めることもあります。そのまま胎盤が剥離すると大量出血が起きてしまうので帝王切開を行います。
・リスク
子宮内捜査の既往、多産歴、喫煙
・検査
妊娠24週以降の経腟超音波エコーで行う。内診は禁忌!(※気付かないうちに内診しちゃったという国試の過去問あり。問題文で内診してるってことは前置胎盤じゃないだろう!は危険な発想です! ちなみに内診所見は「柔軟・弾力性の海綿様組織を触れる」と評されています) 101D37 で出題されています!
前置胎盤は内診は禁忌、でも経腟超音波はOK!
・治療
正期産になるまでに帝王切開を行う。
早産を予防します。(塩酸リトドリンを用います)
急変あればいつでも緊急帝王切開を行うために、基本的に入院します。(入院基準:出血あれば即入院。)

・常位胎盤早期剝離と前置胎盤
常位胎盤早期剝離 じょう 常軌を逸して痛い
前置胎盤 ぜん 全然痛くない

 

・癒着胎盤・・・前置胎盤と基本的にリスクは一緒。
胎盤剥離時に大量出血が起きるので、非常に危険。
治療は子宮摘出や、動脈塞栓術などを考慮します。

 

常位胎盤早期剥離についての文章
a 警告出血を認める
誤り。警告出血を認めるのは前置胎盤
b リスクとしてPIHがある
正しい。PIHの他には腹部への衝撃などがあります。
前置胎盤についての文章
c 定期的に内診を繰り返しモニタリングを行う
誤り。内診は禁忌です!
d 早期発見を行う為妊娠14週ごろから検索を行う
誤り。妊娠の初期では前置胎盤と正常経過の区別がつきません。
妊娠24週以降からみわけがつきます!

takuwaning.hatenadiary.com