原発性免疫不全まとめ
免疫不全のまとめ
T細胞機能とB細胞機能が障害される疾患が3つ
・重症複合型免疫不全症(SCID)
遺伝形式:伴性劣性遺伝
原因:γc鎖欠損症、ADA欠損症
症状:T細胞数、B細胞数低下! (特にT細胞数低下!)
細胞性免疫能低下、Ig(免疫グロブリン) 全クラス減少
治療:造血幹細胞移植、免疫グロブリン補充療法
・Wiskott-Aldrich症候群・・・血小板減少を呈すため出血傾向で見つかることも
遺伝形式:伴性劣性遺伝
原因:細胞骨格形成にかかわるWASP遺伝子の異常
症状:T細胞数減少、B細胞数不変
細胞性免疫能低下、Ig(免疫グロブリン) IgM低下、IgA・IgE上昇
血小板数減少が起き、出血傾向を呈す
治療:造血幹細胞移植、脾摘
・毛細血管拡張性失調症 ataxia telangiectasia
遺伝形式:常染色体劣性遺伝
原因:DNA修復異常(ATM遺伝子の異常)
症状:T細胞数低下、B細胞数不変
細胞性免疫能低下、Ig(免疫グロブリン)IgA・IgM・IgG低下
小脳失調や、眼球結膜充血をきたす
T細胞とB細胞のどちらかが障害を呈す疾患が以下
・DiGeorge症候群
遺伝形式:常染色体優性遺伝
原因:T細胞分化障害
症状:細胞性免疫能低下
低Ca血症(副甲状腺低形成を伴うため)
※22q11.2欠失症候群
22q11.2欠失症候群
DeGeorge症候群をおこしたり、Fallot四徴症(ファロー四徴症)を起こしたりする。
X連鎖性無γ-グロブリン血症
遺伝形式:伴性劣性遺伝
原因:B細胞の分化に関わる遺伝子(BTK遺伝子:ブルトン型チロシンキナーゼ)の障害。
症状:液性免疫能低下 Ig(免疫グロブリン) 全クラス減少
治療:免疫グロブリン補充
慢性肉芽腫症
遺伝形式:伴性劣性遺伝
原因:食細胞の活性酸素産生に関わるNADPHオキシダーゼの異常
症状:カタラーゼ産生菌(ブドウ球菌、大腸菌)、真菌に繰り返し感染し、重症化をきたす
治療:ST合剤、IFN-γ投与
慢性肉芽腫症は
— きよすけ@東京ヒヤリハット (@swns6) October 12, 2019
主に伴性劣性遺伝で、好中球などの食細胞の機能が悪くなる
カタラーゼ陽性菌(ブドウ球菌、大腸菌)、真菌感染症を繰り返す、重症化することが特徴です。
食細胞が働かない、慢性肉芽腫症、ブドウ球菌、大腸菌、真菌
逆から読んで
「真(まこと)に大きなブドウ肉まん食べれない」
Chédiak-Higashi症候群 Chediak-Higashi症候群
遺伝形式:常染色体劣性遺伝
原因:好中球やNK細胞、細胞障害性T細胞の機能不全
症状:細胞免疫力低下、特にブドウ球菌に対しての機能が低下する。また皮膚、毛髪、目に部分的に白子を生じる。
治療:抗菌薬投与、対症療法を行う
また原発性ではないが
AIDS、HTLVによるATLL、SLE、慢性リンパ性白血病、悪性リンパ腫などによって免疫不全が起こる。