現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【Chiari奇形】

きよすけの一言
youtuber企画ですが再生数1000越えそうで嬉しい限り・・・いろいろ頑張らないとなぁ」

 

問題
Chiari奇形について正しい文を選べ

a Ⅰ型では延髄の下降を認める
b Ⅰ型はⅡ型に比べ若年での発症が多い
c Ⅰ型に比べⅡ型は脊髄髄膜瘤の発症が多い
d Ⅱ型では水頭症の発症は稀

答え

 


「c Ⅰ型に比べⅡ型は脊髄髄膜瘤の発症が多い」

 

解説
でた! Chiari奇形 キアリ奇形。難しいですよね・・・
まずChiri奇形の定義をしっかり押さえましょう
Chiari奇形は「大後頭孔を越えて落ちちゃダメな物が脊柱管へと落ちてくる」病気です。
肝臓において、肝静脈や下大静脈の狭窄・閉塞により門脈圧亢進、肝機能低下を引き起こすBudd-Chiari症候群とは全然別の病気!


※名付け親はどちらもオーストリアの病理医Hans Chiari。Buddはイギリスの病理医の名前、医学によくある二人の医者の名前をくっつけて病気にするパターンですね!

 

Chiari奇形Ⅰ型の特徴
・好発年齢
成人、小児
・エピソード例
今まで特に既往歴のない人が感染や外傷をきっかけに頭痛を訴えて・・・検査の結果ChiariⅠ型と判明!
・落ち込んでいる(脊柱管にはまりこむ)組織
小脳扁桃
・Chiariの三つの症状 水頭症、脊髄髄膜瘤、脊髄空洞症
水頭症:起こす。脊髄髄膜瘤:起こさない脊髄空洞症:高率で起こす!

 

Chiari奇形Ⅱ型の特徴
・好発年齢
乳幼児
・エピソード例
例 生まれた瞬間に脊髄髄膜瘤がわかる! 検査! ChiariⅡ型と判明。
・落ち込んでいる(脊柱管にはまりこむ)組織
小脳虫部、延髄 (Ⅰ型と違い延髄がまきこまれる)
・Chiariの三つの症状 水頭症、脊髄髄膜瘤、脊髄空洞症
水頭症高率で起こす。脊髄髄膜瘤:もはや必発!、脊髄空洞症:まぁ起こす(2割ほど) 
※本来は画像所見で小脳扁桃のみ落ち込んでいるか(Ⅰ型)、延髄を巻き込んでおちこんでいるか(Ⅱ型)で分類していたが今は、脊髄髄膜瘤を起こすとⅡ型、起こさないとⅠ型と分類されています

 

Chiari奇形について正しい文を選べ
a Ⅰ型では延髄の下降を認める
誤り。 I型では小脳扁桃のみの下降を認めます
b Ⅰ型はⅡ型に比べ若年での発症が多い
誤り。 Ⅱ型の方が若年発症が多いです。
c Ⅰ型に比べⅡ型は脊髄髄膜瘤の発症が多い
正しい。そもそもⅡ型の定義がいまや「脊髄髄膜瘤を発症していること」なので正しいですよね 多いといわれると違和感があるかもですが・・・正しい文のはず!
d Ⅱ型では水頭症の発症は稀
誤り。Ⅱ型は水頭症も高率で起こします。