現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【肺胞出血】

きよすけの一言
「汚い本編で本当に申し訳ないです!」


本気で勉強したらケツが腐った医大生 第0話-8【東京ヒヤリハット】

 

問題
35歳男性。
主訴:血痰、発熱
既往歴:甲状腺機能亢進症(6年前)
服薬歴:プロピルチオウラシル
まとめ:SpO2:93%、眼瞼結膜貧血、fine crackles.血培陰性。気管支肺胞洗浄で鮮紅色、ヘモジデリン貪食マクロファージを認めた
現在の症状に最も関連するのはどれか?
選択肢
a 抗Jo-1抗体
b MPO-ANCA
c 抗TSH-受容体抗体
d 抗カルジオリピン抗体

 

答えは「b MPO-ANCA」

 

今回のまとめは「甲状腺中毒症」と「プロピルチオウラシル」と「ANCA関連血管炎」の三本立ての予定!

甲状腺中毒症
Basedow病:TRAb(抗TSH受容体抗体) 時折抗TPO抗体(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)が陽性になることも、その場合橋本病にBasedow病がかぶさっていることになる。
Plummer病:腫瘍。治療は摘出かアイソトープエタノール静注。
無痛性甲状腺炎:橋本病の破壊しすぎVer。経過観察でよい。βブロッカー使うこともある
亜急性甲状腺炎:NSAIDsやβブロッカーを使うこともある。

これら甲状腺中毒症にストレス・負荷がかかると甲状腺クリーゼとなる。
その場合 ヨード大量投与、抗甲状腺薬投与、輸液、気道確保などの全身管理、β遮断薬、ステロイドを用いる(ステロイドはT4をT3に変換することを遅らせる)

プロピルチオウラシル

甲状腺薬のこと。Basedow病や甲状腺クリーゼに用いる。
副作用として無顆粒球症、重度の肝障害。
長期的にはMPO-ANCA関連血管炎などを起こす! 今回はコレ!!!

ANCA関連血管炎
に共通するのは発熱、体重減少、紫斑。白血球上昇や赤沈、CRP上昇。血小板上昇。
そしてANCA関連血管炎はみっつ。


顕微鏡的多発血管炎
 好発50歳以上、壊死性血管炎。 間質性肺炎や肺胞出血、半月体形成性糸球体腎炎


Churg-Strauss症候群(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)
 
好発30-60歳以上。気管支喘息アレルギー性鼻炎の合併が多くIgEや好酸球上昇を呈する。腎は意外に何も呈さないことが多い。

Wegener肉芽腫症(多発血管炎性肉芽腫症)
 
好発30-50歳。副鼻腔炎、鞍鼻、中耳炎、眼球突出、肺の空洞性結節性病変、咳嗽・血痰。そして半月体形成糸球体腎炎

 

治療は3つ共通で ステロイド、シクロホスファミド、リツキシマブ