現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【胆嚢】

きよすけの一言
「患者さんに対してルートとったよ!とか救急のファーストタッチできたよみたいな自慢 ほかの人の不安を煽りそうで俺はやらないでおこうと思ってたんですが一個だけ自慢させてください
うちの病院の食堂がうますぎます」

 

問題
胆嚢ポリープ(選択肢a,bで言及) 胆嚢腺筋腫症(選択肢c,dで言及)の中で誤っているものを選べ。 #きよすけ国試
a 10mm以上を基準に摘出を検討する
b 腫瘍”疑い”の場合、傷の目立たない腹腔鏡手術を行う
c ロキタンスキーアショフ洞の増生を伴う
d 症状がない限り経過観察を行う。

 

答え

 「b 腫瘍”疑い”の場合、傷の目立たない腹腔鏡手術を行う」

 

 

さて胆嚢のできもの 胆嚢ポリープと胆嚢腺筋腫症を押さえていきましょう!

さて二つの疾患の特徴を押さえる前に、胆嚢疾患の特徴を押さえておきましょう。
胆嚢疾患の特徴、それは 術後に病名がはっきりすることがある ということです。

なので 胆嚢疾患の範囲は病名で区切って治療を覚える というやり方よりも
この画像所見ならこの治療(なぜなら疾患Aと疾患Bが鑑別に上がって、疾患Aだとこの治療は禁忌だから) と覚えるやり方をオススメします。

 

 

具体的に胆嚢疾患の思考のプロセスと前提知識をまとめて書くとこんな感じ
・胆嚢炎は胆道感染症として分けて考える。
・胆嚢の中に石以外の何かあるが場合、「胆嚢癌」か、「胆嚢ポリープ」か、「胆嚢腺筋腫症」!!(国試の範囲ではね!!)
・腹腔鏡下胆嚢摘出術(La@-C、ラパコレ、ラパ胆とか言ったりするみたい)は胆嚢癌では禁忌。なので胆嚢癌を強く疑う胆嚢ポリープの手術では腹腔鏡下では胆嚢摘出術は行いません。

画像所見でポリープ(っぽいもの)が見つかり、それが大きかったり(基準10mm以上)、根っこが太広い広基性だと「あれ・・・ひょっとすると癌か・・・?」となると手術を考慮し

胆嚢腺筋腫症っぽいものが見えた時は基本的に経過観察でOKとなっています。ポリープ同様「ひょっとすると癌か・・・?」と疑ったり、胆道感染の原因になっていたりすると手術を検討します。

 

 胆嚢腺筋腫症については 個別にもまとめておきましょう!
胆嚢腺筋腫症

病態
胆嚢の壁が過形成を起こし、ロキタンスキーアショフ洞の増生も伴うことが知られています。(ロキタンスキーアショフ洞は胆嚢の中に生じる小さなくぼみのこと)
検査
エコーでは 胆嚢壁が分厚くなっていることや、コメットサイン(コメットとは彗星の事 箒星のように尾を引く所見ということですね)
治療
上でも書きましたが基本経過観察です。癌を疑ったり、何か症状を引き起こすと手術を検討します。