【腹部】【診察】【所見】
きよすけの一言
「触診、そりゃそんだけ押せば痛いだろ ってくらい押すのがコツみたい」
問題
急性壊死性膵炎で見られるCullen徴候は主にどの部位にみられる?
選択肢
a 左季肋部
b 左側腹部
c 臍周囲部
d 下腹部
正解
c 臍部
はい!急性膵炎押さえていきましょう!
原因
アルコールが多い!アルコールを飲む機会が多いのは男性です(女性は飲むなって意味じゃないよ!)なので男性の急性膵炎はアルコールが原因なことが多いですね。
次いで多いのが胆石。胆石が乳頭部に詰まって膵炎が起こる。これは女性に多いです。
その他にもウイルス(ムンプス)が原因になったり、外傷が原因になったり
ERCPのように乳頭部から何かをつっこんでごちゃごちゃする手技が引き起こす医原性のものもあります!
所見
今回の問題にもなった腹部所見は
Cullen徴候と Grey-Turner徴候
臍に出るのがCullenで
左側腹部に出るのがGrey-Turnerです。
アルコールを飲んだり、脂っぽいものを食べて痛みが増強します。(膵臓が活性化するから当然といえば当然ですね)
検査と治療
造影CTと輸液!!
検査といえばまずは造影CTです!
造影CTは診断だけでなく、重症度判定にも関わってきますのでしっかり覚えちゃいましょう。
そして急性膵炎の治療といえば輸液。
膵臓という体内の危険化学薬品貯蔵庫の爆発が急性膵炎なので、もう体中めちゃくちゃになります。(サイトカインストーム→血管透過性亢進→ショック)
血管内脱水を起こすためしっかり輸液してあげましょう。
炎症が原因で脱水が起きていることから、重症度判定にCRP、BUNが入っていることも覚えられますね。
その他有名な検査所見といえば、低Ca血症。これは膵炎によって脂肪が分解され、新たに生じた脂肪酸がCaと結びつくため血中Ca濃度が低下するといったものです。
ショックがDICを引き起こすこともあるので、FDP・Dダイマーなどの検査値にも気を配りましょうね!
今回の問題は
114F28 - みんなの質問掲示板 を参考にしました!
114回ではだいぶ優しい出題でしたので、これをむずかしめに進化させて次回以降出題したりするんじゃないかなーとか思ってます!