現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

妥当性 信頼性

妥当性varidity

その測定尺度が測りたいものをどれだけ捉えているか
その測定結果がどの程度真実を反映してるか
測るべきものをどれだけ正確に測れているかの尺度。

信頼性reliability

その測定尺度は何度用いても同じ結果が得られるか
いつでも誰が測っても同じ結果になるか
どれだけぶれない結果を出すかの尺度。

脱水

脱水とは体液量の欠乏であり、

Naと水分の不足によって細胞外液量が減少することで起こる。

・Na(+水分)の摂取不足の脱水
飲食摂取量の低下
不適切な輸液、栄養管理

 

・Na(+水分)の排泄過剰の脱水
嘔吐、下痢、大量の発汗、熱傷
腎からの喪失(利尿剤、他)

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血清Na濃度による分類
等張性脱水(血清Na濃度130-150mEq/l)
主な原因:嘔吐、下痢
低張性脱水(血清Na濃度130mEq/l)
主な原因:頭蓋内病変によるCSWSなどが起こる
高張性脱水(血清Na濃度150mEq/l)
主な原因:腸炎などによる下痢(水分の多い下痢)

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浮腫

浮腫のメカニズム

1毛細血管の透過性亢進
2毛細血管内の静水圧上昇
3毛細血管内の膠質浸透圧低下

浮腫はさらに浮腫を呼ぶ。

有効循環血液量の低下→生体は体液量が減少したと判断→体液を増やすための代償反応が起こる。

代償反応
・レニンアンギオテンシンアルドステロン系(RAA系)が活性化
水とNaの貯留

・パソプレシンの分泌
自由水の再吸収増加。
※自由水:体内の水分の中で純粋にH2Oだけを指す言葉。体内のH2Oの中にはNaやClなどのイオンが溶け込んでいるため「体内の水分が移動する」、「体内の水分が再吸収される」というとそれらのイオンの扱いがわかりづらくなってしまう。そこを区別するために用いる言葉が自由水である。

認知症

後天的要因により社会生活、職業の遂行が困難なレベルにまで認知機能が障害された状態を指す。

分類は
非可逆性認知症・可逆性認知症に分類する分類法や
認知症の原因となる病変が存在する位置によって分類する
皮質性認知症・皮質下性認知症に分ける分類がある。

 

皮質性認知症

初期には精神症状が目立ち、神経症状は軽微、もしくは欠如している。
病気の進行に連れて精神症状は高度なものへと変容していき、筋強剛や無動などの神経症状が目立ち始め、最終的には無言無動状態に陥る。
アルツハイマー認知症:早期から高度の記憶障害
前頭側頭型認知症
前頭葉型:性格変化、脱抑制、反社会的行為、意欲低下が早期より目立つ。
側頭葉型:優位半球病変による言語機能障害
レビー小体型認知症:高度の幻視とパーキンソニズム(振戦、無動、筋固縮、姿勢保持障害のうち2つ以上の発現)
幻視の例:見慣れない子供を見るなど。座敷わらし伝承との関連を指摘する者も居る。

 

皮質下性認知症

中核となるのは思考や実行機能の緩慢と意欲低下である。
皮質下性認知症としては、
進行性核上性麻痺、パーキンソン病ハンチントン病、大脳皮質基底格変性症、血管性認知症多発性硬化症、進行性多層性白質脳症水頭症による認知症

その他
栄養失調による認知症
ビタミンB1欠乏症、ニコチン酸欠乏症、ビタミンB12欠乏症

代謝性疾患、内分泌疾患による認知症
肝性脳症、遷延性低血糖などなど

 

認知症と鑑別すべき病態

せん妄、うつ病、高齢者の良性健忘症、軽度認知機能障害

検査

改定長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
MMSE(ミニメンタルステートエグザミネーション)

血液分布異常 うっ血 虚血 充血。

うっ血
臓器における血液の流出路(静脈)に閉塞、狭窄が生じ、臓器そのものまたはその血管内に静脈血がうっ滞した状態を指す。臓器は暗赤色を示し、時間経過とともに酸素不足を生じるため組織の変性・壊死が起きる。
足し算はそのまま、 引き算が減る。 マイナスのマイナスでプラス(血が貯まる)

 

虚血

臓器に動脈を運搬する動脈に収縮、閉塞が生じ、臓器に流入する動脈血液量が減少し、流出量は不変の場合を指す。臓器は白色を呈し時間経過とともに組織壊死が起きる。
足し算が減る。引き算はそのまま。プラスのマイナスでマイナス。(血が減る)

充血

臓器に流入する血液量が増加し、流出量は不変の状態を指す。臓器には動脈血が増加するため鮮紅色を呈し、毛細血管には血液が貯留し拡張するため血管像が明瞭化する。
臓器の機能亢進も同時に起こる。
足し算が増える。引き算はそのまま。プラスのプラスでプラス(血が増える)

ショック

ショックとは急性循環不全を指す言葉である。

診断としては
収縮期血圧<脈拍」
「血圧が60mmHg」
「急激な40mmHg以上の血圧の低下」
など。

 

血圧が低下し、組織還流が維持されなくなり、体中の微小環境が悪化する。

それにより、体中の細胞の酸素供給と栄養供給が滞ることで、多臓器不全(MOF)が起こる。

ショックが起こると、脳と心臓には優先的に血液が回され、その他の臓器(消化管、腎臓、肝臓、肺)は虚血状態となり、また血液は水分が増えることで希釈され血小板減少、貧血、またDIC(播種性血液凝固症候群)が起こる。

 

出血性ショック
血管内血液量が低下することで、右心房へ帰ってくる血液の量が低下し(前負荷の低下)し、心拍出量が低下して起きる。
出血による失血だけでなく、火傷などの大量に水分を失った場合でも起こりうる。

心原性ショック
心筋梗塞などにより、心筋の機能が低下することで心拍出量が低下して起こる。
心臓が原因の血圧低下は代償機構は期待できないので、致死的なものが特に多い。

心外性ショック

心タンポナーデ(心嚢腔への血液貯留による心臓内圧の上昇と、それに伴う前負荷の低下)や、緊張性気胸気胸が原因で、縦隔が圧迫され心臓内圧が上昇し、心タンポナーデのように前負荷の低下、自然気胸や外傷性気胸とは違う分類)

また肺塞栓によっても起こる。これは後負荷の増大という。肺塞栓は寝たきりの人、長時間の手術後の人(整形、骨盤(泌尿器、婦人科))に起こりやすいので要注意。

敗血症性ショック
敗血症によって起こる炎症反応が引き起こす。炎症箇所である全身での末梢血管抵抗の低下が起こり、血液は拡張した静脈に留まり心臓へ帰ってくる量が減る。このことでショックが起こるのでショックなのに体は温かいままである(血液は体中に存在するから)。なのでwarm shockと呼ばれる。また、炎症反応によるサイトカイン(TNFとIL-1)によって心臓代謝は低下し、心機能の低下、心原性ショックも併発して起こる。