新生児一過性多呼吸 TTN
Transient Tachypnea of the Newborn
新生児にみられる一過性の多呼吸。(そのまんまや)
緊急帝王切開などで生まれた児に多く見られる。(正期産でも見られる)
通常、産道通過時に起こる圧迫によって肺水が口から排出される。帝王切開ではその圧迫が起きないため、絞られないスポンジのように肺の中に肺水が存在し
それによって呼吸障害、多呼吸を来す。
治療は必要になることは多くないが、酸素化に上昇がみられない場合は、モニター管理下にて酸素投与も考慮する。
呼吸窮迫症候群RDS(肺サーファクタント欠乏が引き起こす肺胞の虚脱)、胎便吸引症候群MAS(便による気道の閉塞)との鑑別が重要となる。
心臓の弓
右第1弓とか、左第4弓とかのアレです。覚えづらいのは僕だけですか?
右第1弓 上大静脈
右第2弓 右房
左第1弓 大動脈弓
左第2弓 肺動脈
左第3弓 左房(目立たないことが多い)
左第4弓 左室
ざっくり全身麻酔薬
吸入麻酔薬の(当たり前の)話
・セボフルラン、デスフルランなどがある。
・呼吸していないと取り込まれない(当たり前の話)
・肺の血流が均等でないと、血流動態異常があると(左-右シャントがあったりすると、脳にいかず)遅い。
静脈麻酔薬の(当たり前の)話
・バルビツレート系(チオペンタール、チアミラール)
GABA受容体に作用しGABAの作用を増強し、抑制系を不活化する
脳保護作用(脳酸素消費量↓、脳血流量↓、脳圧↓)
・ベンゾジアゼピン系(ミダゾラム)
GABA受容体に作用しGABAの作用を増強し、抑制系を不活化する
妊娠中の使用で口唇裂、口蓋裂を誘因する
拮抗薬(フルマゼニル)があるので使いやすい面がある(効きすぎの時はいざといえば拮抗薬!という考えもある)
脊髄硬膜外麻酔
通称エピスパ。L3/L4、L4/L5から行うことが多い。
L4のメルクマールとしては、左右の腸前上骨稜を結んだヤコビー線が用いられる。
使用する針は、ペンシルポイント針とクインケ針(片手で行えて簡易的)。
使用薬剤
レボブピバカイン(ポプスカイン)
メピバカイン(カルボカイン)
ロピバカイン(アナペイン)等が挙げられる。
行う場合、肝機能低下などによる凝固能低下がないかを確かめる必要がある。
硬膜外麻酔が可能かどうかは、
血小板数10万超、PT-INR1.5未満、APTT50パーセント未満(米国区域麻酔科学会ARSAの基準)などが用いられる。
術中の疼痛管理だけではなく、術後の疼痛管理にも有用である。
II音の分裂 生理的分裂と固定性分裂
循環器
心音の中でも
II音は大動脈弁と肺動脈弁の閉鎖によって生じる音である。
正常では、収縮圧が高いつまりポンプとしての能力が高い左室につながる大動脈弁が早く収縮を完了する。
つまり、大動脈弁の方がやや早く閉じ、遅れて肺動脈弁が閉じることになる。
その肺動脈弁の遅れは吸気時さらにひどくなる。
(機序)
吸気時胸腔の内圧は低下する。すると右房に帰ってくる血液の量(静脈還流)は上昇する。
右室が肺動脈へ送り出さなければならない血液の量は増えるので、更に肺動脈弁の閉鎖音は遅れることになる。
このII音の遅れを生理的分裂という。健常者でも認める分裂である。
固定性分裂
これは病的な分裂であり、心房中隔欠損症の患者で認める。
吸気時も呼気時も右室が送り出す血液の量は変わらないので、肺動脈弁の閉鎖の遅れが吸気時も呼気時も一定であることが特徴となる。
呼気時も、左房から右房への左右シャントが亢進することで起こるとされている。