現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

ショック

ショックとは急性循環不全を指す言葉である。

診断としては
収縮期血圧<脈拍」
「血圧が60mmHg」
「急激な40mmHg以上の血圧の低下」
など。

 

血圧が低下し、組織還流が維持されなくなり、体中の微小環境が悪化する。

それにより、体中の細胞の酸素供給と栄養供給が滞ることで、多臓器不全(MOF)が起こる。

ショックが起こると、脳と心臓には優先的に血液が回され、その他の臓器(消化管、腎臓、肝臓、肺)は虚血状態となり、また血液は水分が増えることで希釈され血小板減少、貧血、またDIC(播種性血液凝固症候群)が起こる。

 

出血性ショック
血管内血液量が低下することで、右心房へ帰ってくる血液の量が低下し(前負荷の低下)し、心拍出量が低下して起きる。
出血による失血だけでなく、火傷などの大量に水分を失った場合でも起こりうる。

心原性ショック
心筋梗塞などにより、心筋の機能が低下することで心拍出量が低下して起こる。
心臓が原因の血圧低下は代償機構は期待できないので、致死的なものが特に多い。

心外性ショック

心タンポナーデ(心嚢腔への血液貯留による心臓内圧の上昇と、それに伴う前負荷の低下)や、緊張性気胸気胸が原因で、縦隔が圧迫され心臓内圧が上昇し、心タンポナーデのように前負荷の低下、自然気胸や外傷性気胸とは違う分類)

また肺塞栓によっても起こる。これは後負荷の増大という。肺塞栓は寝たきりの人、長時間の手術後の人(整形、骨盤(泌尿器、婦人科))に起こりやすいので要注意。

敗血症性ショック
敗血症によって起こる炎症反応が引き起こす。炎症箇所である全身での末梢血管抵抗の低下が起こり、血液は拡張した静脈に留まり心臓へ帰ってくる量が減る。このことでショックが起こるのでショックなのに体は温かいままである(血液は体中に存在するから)。なのでwarm shockと呼ばれる。また、炎症反応によるサイトカイン(TNFとIL-1)によって心臓代謝は低下し、心機能の低下、心原性ショックも併発して起こる。