心エコー Mモードでつかみやすい疾患と所見。
Mモードは
縦軸が心壁の動き、横軸が時間軸で表される心エコーの描出方法である。
心房中隔欠損症(ASD)、僧帽弁狭窄症、閉塞性肥大型心筋症、僧帽弁逸脱症、拡張型心筋症などが、特徴的な所見を示す。
・心房中隔欠損症(ASD)
心房中隔がない→左房の血液が右房に流れる(右心負荷増大)
健常者の心室中隔は収縮期左室側(後側)に動く。
ASDの心室中隔は収縮時に心室中隔が右室側(前側)にでっぱる心室中隔奇異性運動を認める。(Mモードでみられる)
・僧帽弁狭窄症
僧帽弁の可動性が悪くなる→僧帽弁は通常だと二回開くが、二回開かなくなる。
・閉塞性肥大型心筋症
心室中隔が非対称性に肥厚(左室側)して、左室から大動脈側への流出路が狭くなる。
狭くなるから流速が早くなり、陰圧となる。陰圧だから僧帽弁を吸い付けて
収縮期の僧帽弁の前方運動が起こる。
・僧帽弁逸脱症
拡張期の後に、僧帽弁が左房側に翻転してしまう。
よって心エコー上では、僧帽弁が図中の下(左房側)に膨らむハンモック状後方運動を認める。
・拡張型心筋症
心臓がビロビロで収縮しない。広がったまんま。大動脈に流れる血液も少ない。
だから、左室内腔の拡大、大動脈弁の早期閉鎖。などを認める。
僧帽弁逸脱症、拡張型心筋症
冠動脈の走行と、覚えておきたい「冠状」の意味
心臓そのものを栄養する冠動脈ですが、さらに分類すると
・左冠動脈前下行枝
・左冠動脈回旋枝
・右冠動脈
の3つに別れます。
北海道心臓協会様のイラストをお借りしています。ありがとうございます!
規約には目を通しておりますが、問題がある場合はご連絡ください。すぐ削除させて頂きます。
こちらの素晴らしいイラストをみていただければわかりますが
左冠動脈回旋枝と右冠動脈は だいたい横
左冠動脈前下行枝は だいたい縦 に走っていることがわかります。
ちなみに医師国家試験107E-9では
左冠動脈回旋枝と 右冠動脈近位部は 冠状溝を通り
左冠動脈前下行枝は 前室間溝を通る。
といった知識が問われました。
前下行枝はそりゃ、前の方の心室の間の溝を通ってるので納得ネーミングですが
回旋枝と右冠動脈の冠状溝ってなんじゃそれ? となってしまう人も多いと思います。
この場合の冠状とは
これではないです。
こっちです! Google画像検索「草 冠」
だから冠状っていったら
球体に対して
こういう赤い線を入れたイメージを指すんですね。(例 CTの冠状断とか)
なので
左冠動脈回旋枝と 右冠動脈近位部は 冠状溝を通り
というのも、そのまま球状の心臓に対し、上図の赤線のように走るイメージを持てていたら納得できますね。
食道の位置
食道は
・気管の後ろ。接している。(背側)
・左房・左室には近い。右房・右室には遠い。(背中側だから当たり前だけどね)
・だから肺静脈(→左房)、(左室→)下行大動脈には接するタイミングがある。
・頸部~胸部中部くらいまでは右側ががら空きで、左側には大動脈弓や、下行大動脈がある。だから頸部~胸部中部くらいまでの食道手術は右開胸。
・下部食道までおりてくると、右側には肝臓が!だから左開胸。
↓このことを意識しながら下のページでレッツ勉強。
そうしたら食道癌の浸潤問題にも悩まなくてすむ!
食道癌の直接浸潤として可能性が高いものはどれ?
気管、下行大動脈、上大静脈、肺動脈、肺静脈
正解は下の部分をドラッグ!
気管、下行大動脈、肺静脈、
新生児一過性多呼吸 TTN
Transient Tachypnea of the Newborn
新生児にみられる一過性の多呼吸。(そのまんまや)
緊急帝王切開などで生まれた児に多く見られる。(正期産でも見られる)
通常、産道通過時に起こる圧迫によって肺水が口から排出される。帝王切開ではその圧迫が起きないため、絞られないスポンジのように肺の中に肺水が存在し
それによって呼吸障害、多呼吸を来す。
治療は必要になることは多くないが、酸素化に上昇がみられない場合は、モニター管理下にて酸素投与も考慮する。
呼吸窮迫症候群RDS(肺サーファクタント欠乏が引き起こす肺胞の虚脱)、胎便吸引症候群MAS(便による気道の閉塞)との鑑別が重要となる。
心臓の弓
右第1弓とか、左第4弓とかのアレです。覚えづらいのは僕だけですか?
右第1弓 上大静脈
右第2弓 右房
左第1弓 大動脈弓
左第2弓 肺動脈
左第3弓 左房(目立たないことが多い)
左第4弓 左室
ざっくり全身麻酔薬
吸入麻酔薬の(当たり前の)話
・セボフルラン、デスフルランなどがある。
・呼吸していないと取り込まれない(当たり前の話)
・肺の血流が均等でないと、血流動態異常があると(左-右シャントがあったりすると、脳にいかず)遅い。
静脈麻酔薬の(当たり前の)話
・バルビツレート系(チオペンタール、チアミラール)
GABA受容体に作用しGABAの作用を増強し、抑制系を不活化する
脳保護作用(脳酸素消費量↓、脳血流量↓、脳圧↓)
・ベンゾジアゼピン系(ミダゾラム)
GABA受容体に作用しGABAの作用を増強し、抑制系を不活化する
妊娠中の使用で口唇裂、口蓋裂を誘因する
拮抗薬(フルマゼニル)があるので使いやすい面がある(効きすぎの時はいざといえば拮抗薬!という考えもある)