現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【無月経】【妊娠】【検査】

きよすけの一言
志田未来 ホント好き」

問題文
16 歳の女子。主訴7週間の無月経を主訴に来院した。所属する陸上部の練習が 厳しく、体重が3か月で6kg 減少したという。身長 156 cm、体重 40 kg。腹部超音波検査で卵巣に異常を認めない。黄体ホルモンの投与によって消退出血を認めた。
妊娠は否定できるが、問題文のどこがその根拠となるか?(106I64改) 

a 年齢
b 体重が減少している点
c 腹部超音波検査の結果
d 消退出血を認めた点

 

 

答えは

 

 

「d 消退出血を認めた点」です。

 

解説

この場合、おそらくですがこの女の子は体重減少性無月経になってしまっているのではないだろうかと考えられます。
体重減少性無月経の場合、視床下部性に無月経が起こります。
ゲスターゲン試験においては出血せず、エストロゲン、ゲスターゲン試験において出血を認める第二度無月経を示すことが多いとされています。(この問題文は(106I64)をほとんど再利用しているので、体重減少性無月経で第一度無月経は国試的にはそんなに変な話ではないということになりますね)
体重減少性無月経の場合、病識があるこのような場合その激しい運動や食事制限などを中止することが一番の治療法となります。エストロゲンもゲスターゲンも出ていないことが典型例なのでKaufmann療法(エストロゲン+ゲスターゲン投与)を行うこともあります。
患者さん自身に病識がない場合、神経性食思不振症に分類されるので精神科的アプローチとして精神療法と栄養療法の両立を行う必要がある。神経性無食症は死亡率が非常に高い疾患ですので合わせて覚えておきましょうね。

また女性の無月経の場合、下垂体機能低下症を鑑別する必要があります。
もし下垂体機能低下によって無月経が起きている場合、ACTH分泌も止まりアンドロゲン分泌も低下しているので
脇毛・恥毛の脱落が起こることが鑑別のポイントとなります。(国試では実際に腋毛ボーボーの写真が出題されて解答のポイントになったことがあります。)

a 年齢
誤りです。年齢で妊娠していないと決めつけるなんて・・・。

b 体重が減少している点
誤りです。体重で妊娠していないと決めつけるなんて・・・。

c 腹部超音波検査の結果
誤りです。エコーで妊娠していないと決めつけるなんて・・・。

d 消退出血を認めた点
正解です。消退出血って月経ですよね。
月経が起きればそりゃあ妊娠はしていないと判断しても大丈夫です。