現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【マタニティ・ブルーズ】

きよすけの一言
「速達書留は神」

 

答え

 「a 産褥3-10日頃に発症する」

 

問題
マタニティ・ブルーズについて正しいのはどれか #けん国試
a 産褥3-10日頃に発症する
b 妊娠37週-42週ごろに発症する
c 症状は半年ほど継続する
d 児と離れる入院や抗精神病薬治療が有効である

解説
マタニティ・ブルーズ。出産後のお母さんが落ち込むアレですね。
イメージとしては出産していざ退院という時期(つまり産褥3-10日頃)に発症します。
出産後のお母さん、約半分が発症し、日本と欧米だと意外かもしれませんが欧米の方が発症率は高いです。
マタニティ・ブルーズの症状は2週間以内に治まることが多いので
治療としては「2週間で治まることが多いですよ 安心してくださいね」と告げてあげることが挙がります。また家族を巻き込んだ今後の育児計画の確認などが不安軽減に繋がります。
鑑別:産褥期精神病(2週間以上続くことが多い)との鑑別が必要。
産褥期精神病は
治療は児と一緒の入院や、抗精神病薬治療を用いることもあります。

 

a 産褥3-10日頃に発症する
正しい。
b 妊娠37週-42週ごろに発症する
誤り。産褥3-10日ごろです。
c 症状は半年ほど継続する
誤り。2週間ぐらいで治まります。
d 児と離れる入院や抗精神病薬治療が有効である
誤り。それは産褥期精神病ですね。

 

ちなみにマタニティブルーズ。マタニティって「妊婦さん」を指す言葉だと思ってませんか? もしかしたらそれで妊娠中の病気と勘違いしている人もいたりして・・・
マタニティは妊婦さんとは違います! 
マタニティ maternity は母性を意味する英単語です。
旧態依然とした医師が医師のみで判断し患者の意思を無視した治療、態度、それらをよしとする考え方をパターナリズムと言いますよね。直訳すると父権主義。
そのpaternalismのpater-は父を意味する語幹です。
その対義語 mater-は母という意味しか持たないので、産褥期の抑うつ、不安をマタニティブルーズと呼んでも何も問題はないわけですね。