どうして先端巨大症の治療にはドパミン作動薬を使うのか?
ドパミンと視床下部(GRH)、下垂体(GH)の関係って難しい。
こんな感じです。
健常時
ドパミンは下垂体には抑制的に働きかけます。
ドパミン「下垂体君! 成長ホルモンは出さんとってな!」
下垂体「うす! 出しません!おとなしくしておきます!」
ただドパミンは下垂体君の上司、視床下部には成長ホルモン放出ホルモンを出せと働きかけます。
ドパミン「視床下部君! 成長ホルモン放出ホルモン出してくれな!」
視床下部「うす! 下垂体の奴にはしっかり出せとメール(成長ホルモン放出ホルモン)で送っておきます!」
あれ?ドパミンの命令矛盾してない? となりますね。そうなんですよ。
下垂体君はドパミンからは「成長ホルモンを出すな!」と言われ
同時に直属の上司である視床下部からは「成長ホルモン出せ!」と言われる訳です。
下垂体君はこの時、直属の上司の命令を優先します!
つまり・・・健常時 ドパミンが出ると、成長ホルモンは出ます!
先端巨大症の時
健常時と同様、ドパミンは視床下部(上司)には成長ホルモンを放出することを促進させる動きをします。
ドパミン「成長ホルモン放出ホルモン出して、下垂体君励ましたってな!」
視床下部「うっす! 下垂体には メール(成長ホルモン放出ホルモン)出しておきます!」
これは健常時と一緒。でも先端巨大症の時には 下垂体君はもう正気を失っています。上司からの命令なんて一切聞きません。
ドパミンはやっぱり下垂体君には、抑制的に働きかけます。
正気を失った下垂体君「オレ・・・ホルモン・・・ダス・・・」
ドパミン「おい! お前成長ホルモン出すなよ! おい!お前止めろ!こら! 殴るぞ!!!」
下垂体君はもう正気を失っているので、遠くにいる上司の命令なんて聞いていません。
でも正気を失った下垂体君はドパミンには直接ボコられてしまうので、GH産生を止めます。
つまり、GH産生腫瘍においてドパミンが出ると、成長ホルモンは止まります。ドパミンが治療に用いられる理由がこれです!