現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【心臓粘液腫】【心臓腫瘍】

きよすけの一言
「医療用語の有茎性はわかる、茎だもん

でもなんで医療用語はあらゆるものを乳首に例えるんですか? 乳頭多すぎない?」

 

問題文

心臓粘液腫、心臓腫瘍について正しい文を選べ #けん国試

a 心臓粘液腫は最も右房にできやすいとされている
b 心臓粘液腫は心房中隔から茎を伸ばすことが多い
c 心臓粘液腫においては炎症所見は呈さないことが多い
d 心臓腫瘍においては悪性のものは5年生存率は約80%である

 

答えは

 

「b 心臓粘液腫は心房中隔から茎を伸ばすことが多い」です。

 

解説

心臓粘液腫、心臓腫瘍は111A9や108D25のように国家試験にはちょくちょく出てくる疾患です。
ふだんポピュラーとは言えない分、国家試験に出てくるとびっくりしてしまいますよね。今回はしっかり心臓粘液腫心臓腫瘍についておさらいしておきましょう。

心臓粘液腫
原発性心臓腫瘍では最多の良性腫瘍です。
そんな原発性心臓腫瘍で最多の心臓粘液腫の中では、心房中隔に茎を持つ 左房粘液腫 がもっとも多いです。
治療法は外科的切除!
そしてポイントとなるものが検査所見と症状です。
検査所見はMS様の拡張期ランブルが典型的です。左心房にできやすい心臓粘液腫は拡張期に僧帽弁に近づくことで血流を妨げMSと同じように拡張期ランブルを呈します。
また症状は炎症です。心臓粘液腫はIL-6を分泌するため、熱、全身倦怠感、関節痛、また血液検査でもWBC上昇、γグロブリン上昇を呈します。また粘液腫が体中に飛び、塞栓症状を呈することもあります。
108D25では「微熱を主訴に来院した。4か月前から微熱を自覚していた。3週前から全身倦怠感と手足の関節痛とが出現し、微熱も続いているため心配になって受診した。1週前に数秒間の眼前暗黒感を生じたという。」という問題文で始まります。

心臓腫瘍
心臓腫瘍の中では
原発性>転移性
原発性の中で最多のものは心臓粘液腫(左房に最も頻発)
悪性の心臓腫瘍はとても予後が悪いです。(5年生存率17%としている文献もありました)