現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【膵内分泌腫瘍】

きよすけの一言
「熊本湯らっくすで完全にリフレッシュできました」

 

問題

Zollinger-Ellison症候群について説明した文で正しいものを選べ #けん国試

選択肢
a インスリンが主要因である

b MENの中ではMEN2bの合併が最多である

c 直腸指診で発見されることが多い

d 血液・胃液検査が診断に有用となる

 

答え
「d 血液・胃液検査が診断に有用となる」

 

Zollinger-Ellison症候群
名前だけで嫌いになっている人も多いのではないでしょうか。
ゾリエリ。憶えてしまえばなかなかシンプルな病態なのでこの際味方にしてみましょう。

【原因】
ガストリンの過剰分泌。なのでゾリエリはガストリノーマが引き起こすことが多いですね。ガストリノーマといえばMEN1ですね。
MEN1といてば「PPP 膵臓 下垂体 副甲状腺」の病変。その中の膵病変の最多がガストリノーマなので、ゾリエリと合わせて憶えておきましょう。

 

【病態】

ガストリンの過剰分泌は引き起こす胃酸過多。これが胃潰瘍、十二指腸潰瘍を引き起こします。胃酸過多は腸管壁を傷つけるだけでなく、下痢(水溶性下痢)も引き起こします。

内分泌腫瘍で下痢といえば、このガストリノーマと病名に下痢を冠するWDHA症候群(VIPomaが引き起こしますね)が国試ではちょくちょく出ています。要チェックです

 

【検査】

ガストリンが出過ぎて、胃酸が出過ぎがゾリエリなので
血液検査でガストリンを見てあげて
胃液検査で胃液のpHが超絶低いのを確認してあげると診断がつきます

ゾリエリの診断だけでなく、裏に潜むであろうガストリノーマの診断(局在診断)のために、腹部超音波、造影CT、造影MRI、血管造影などを行います。 

 

a インスリンが主要因である

誤り。ガストリンですね。

b MENの中ではMEN2bの合併が最多である

誤り。MEN1ですね。

c 直腸指診で発見されることが多い

誤り。消化管出血をきたすことはありますが、初期症状としては胸焼けや腹痛を呈すことが多いとされています。

d 血液・胃液検査が診断に有用となる

正しい。Zollinger-Ellison症候群の確定診断には血中ガストリン高値と胃液のpH低値の確認が必要です。