現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【緑内障】

きよすけの一言
忘れらんねえよ ってバンド(今一人だけど)好きなんですけど
国試前のこの時期 忘れらんねえよなことが多すぎて八つ当たりで心象悪くなってしまっている・・・ごめん柴田さん・・・(ギターボーカルの人)」

 

問題

75歳女性。急激な目のかすみ、頭痛を訴え救急車を要請した。
結膜の充血を認め、瞳孔は著しく散瞳している。眼科医が来るまでの間の対応として正しいものはどれか?
a  患者を出来るだけ暗所におく
b  コリン作動薬を点眼する
c 「眼底検査を行います」と看護師に指示する
d 「うつむいておくと楽になりますよ」と声をかける

 

答え

 
b  コリン作動薬を点眼する

 

急激な目のかすみ、頭痛。
この場合頭に浮かぶのは「緑内障発作」。
それも閉塞隅角が閉じている閉塞隅角緑内障の場合、散瞳させること はご法度となります。
失明もありうる閉塞隅角緑内障の可能性を常に頭に入れつつ、研修医となってから致命傷となるような初期対応はしないでくれよー って感じの出題が多いですよね。
一例 109C19 - みんなの質問掲示板。

 

 

 

原発性閉塞隅角緑内障について以下、簡単にまとめておきます。

原発性閉塞隅角緑内障
症状:頭痛、悪心、嘔吐、そしてかならず起きる視力低下。
対応:まずは縮瞳させます。そして眼圧を低下させるため、利尿薬(マンニトール、グリセロール)を用いたり、炭酸脱水酵素阻害薬を用います!(炭酸脱水酵素阻害薬については Parkinson病と閉塞隅角緑内障。 - 現役医大生きよすけのブログ でちょっと書いています!)
根本的治療としては、非観血的なレーザー虹彩切開術や、観血的な虹彩切開術を行う。また意外ですが、白内障の眼内レンズへの置換術を受けている人には閉塞隅角緑内障は起きません。

 

以下解答選択肢解説。


a  患者を出来るだけ暗所におく
誤り。暗いところでは散瞳が起きますのでできるだけ暗いところは避けます。


b  コリン作動薬を点眼する
正しい。 縮瞳を起こさせますので正解です。


c 「眼底検査を行います」と看護師に指示する
誤り。 無散瞳眼底検査なら行ってもOKです。ただ 「眼底検査を行います」だとひょっとすると指示があいまいなせいで散瞳薬が用意されてしまうかもしれません。これはアクシデントにつながりかねないヒヤリハットですね。
そもそもコリン作動薬を優先すべきですし、指示も的確でない。なので誤り選択肢とさせて下さい。

 

d 「うつむいておくと楽になりますよ」と声をかける
誤り。俯くと眼圧が挙がってしまいますので、俯く姿勢は良くないとされています。

 

 

 原発性開放隅角緑内障の治療薬

PG製剤 α作動薬 βブロッカーβ遮断薬(喘息患者には禁忌!)、炭酸脱水酵素阻害薬