現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

【自己免疫性肝炎】【原発性胆汁性胆管炎】【原発性硬化性胆管炎】

きよすけの一言
「夜 ランニングしてます」

 

問題
原発性硬化性胆管炎について述べている文の中でもっともふさわしいものを選べ #きよすけ国試

選択肢

a シェーグレン症候群を合併することが多い
b 中年女性に多い
c 進行すれば肝移植の適応となる
d 抗ミトコンドリア抗体が陽性となる

 

答え

「c 進行すれば肝移植の適応となる」

 

自己免疫性肝炎と
原発性胆汁性胆管炎と
原発性硬化性胆管炎

 

これらの関係性は以前 こちらのブログで

【自己免疫性肝炎】【原発性胆汁性胆管炎】【原発性硬化性胆管炎】 - 現役研修医きよすけのブログ

紹介させて頂きました。

今回はその補強偏ということで
この三つの疾患の疫学、検査、治療について振り返ってみましょ!

自己免疫性肝炎 (AIH)
好発:中年女性
合併症:関節リウマチやシェーグレン症候群、橋本病
HLA-DR4と関連
肝胆道系酵素:肝臓系AST・ALT上昇
抗体:IgG、抗核抗体、抗平滑筋抗体
治療:ステロイド(大事!!)、免疫抑制剤。もちろん肝臓がとりかえしつかなくなれば移植も考慮します。
自由にひとこと:AIH。 Hはローマ字のハヒフヘホの子音。 フォー だからHLADRォー
あと自己免疫性肝炎  こめんえきせい だからIgジー抗体

 

原発性胆汁性胆管炎(PBC
好発:中年女性
合併症:関節リウマチやシェーグレン症候群、橋本病
HLA-DR8と関連
肝胆道系酵素γGTP、ALP上昇
抗体:IgM、抗ミトコンドリア抗体
治療:ウルソデオキシコール酸(ステロイドは禁忌)、もちろんAIH同様、肝移植もあり得ますね。
ひとこと:ステロイド禁忌に注意。 そしてPBC、これのBって8に見えませんか?だからHLA-DRと関連!

 

原発性硬化性胆管炎(PSC)
好発:中年男性
合併症:潰瘍性大腸炎胆管癌
肝胆道系酵素:ALP・γGTP上昇
抗体:P-ANCA陽性
治療:ウルソデオキシコール酸
ひとこと:PSC、これは胆管の狭窄を認め、病変は肉眼サイズで確認可能! 大してPBCは肝内のちっちゃい胆管が病変になるので、「あ!胆道の狭窄がわかる画像だ!」って思ったのならそれはPSCなことが多い!
あと、消えたり出たりの黄疸も特徴!

また原発性ではない、硬化性胆管炎 これはIgG4関連疾患の一つとして有名です。
この場合、治療にはステロイドを用いるので注意が必要です!

 

 

ってことで今回の問題の復習に行きましょう!

問題
原発性硬化性胆管炎について述べている文の中でもっともふさわしいものを選べ #きよすけ国試

選択肢

a シェーグレン症候群を合併することが多い
誤り。 これはAIHやPBCの合併症ですね。
b 中年女性に多い
誤り。 これはAIHやPBCの合併症ですね。
c 進行すれば肝移植の適応となる
正しい。
d 抗ミトコンドリア抗体が陽性となる
誤り。これはPBCの特徴ですね。