現役研修医きよすけのブログ

私 きよすけの勉強用のものです。(旧名takuwaningのブログ、昔アカウント名がけんだったころもあります)運営者は医学的助言を行っておりません。当ブログの情報の利用は自己責任でお願いします。

国家試験に出る遺伝性疾患まとめ

遺伝性疾患のまとめ

 

 

・常染色体劣勢遺伝
アミノ酸代謝の異常)
ホモシスチン尿症意識障害をきたさない。メチオニンとホモシスチン蓄積。Marfan症候群様症状に精神発達遅滞が追加。シスチンを補給し、VitB6で治療。意識障害はきたさない。
メープルシロップ尿症:分子鎖アミノ酸 ロイシンなどが蓄積。VitB1で治療。
フェニルケトン尿症フェニルアラニン蓄積。尿がねずみ尿臭を呈す。チロシンを補給し治療。
Hurler症候群:ムコ多糖症
(脂質代謝の異常)Gaucher病、Nieman pick病、Tay-Sachs病、異染性白質ジストロフィー
糖原病von Gierke病、Pompe病
Wilson病:銅が体中に蓄積する銅代謝異常。セルロプラスミン合成障害。
先天性副腎皮質過形成:21-水酸化酵素欠損などが有名→Ald,CORTが欠乏してアンドロゲン優位症状がでる。17-OHプロゲステロン高値でスクリーニング検査でひっかける。
Werding-Hoffmann病:脊髄前角の変性疾患。下位運動ニューロン障害のくせに近位筋優位の症状を呈す。乳幼児期に死亡する。
福山型筋ジストロフィー:新生児乳児で発症。18歳までには死亡する。
Chediak-Higashi症候群:食細胞、好中球が減り、機能も落ちて感染症を繰り返す。
毛細血管拡張性失調症:Ataxia Telangiectasia 治療法がない。小脳失調、発育不全、胸腺低形成を呈す。T細胞B細胞機能障害。
Turcot症候群:症状としてはFAPとほぼ一緒、それに中枢神経腫瘍(髄芽種)を伴う。

werner症候群:早期老化を生じる常染色体劣性遺伝疾患で、白内障、糖尿病、動脈硬化、悪性腫瘍
悪性黒色腫が多い)などを合併する
Bartter症候群:フロセミド濫用状態といっしょの病態。ヘンレのループの太い上行脚に存在するNa-K-2Cl再吸収機構が阻害される。低K血症とアルカローシスをきたす。尿にCaを排泄するため、高Ca血症の治療薬になる。新生児、乳児期に発症。
Gitelman症候群:サイアザイド濫用状態といっしょの病態。遠位尿細管に存在するNa-Cl再吸収機構が阻害される。低K血症とアルカローシスと低Mg血症(からのテタニー)をきたす。尿にCaが出なくなり、高Ca血症をきたす。
色素性乾皮症: 紫外線照射によるDNA損傷(ピリミジン二量体形成)を修復する機構が障害される。 光線過敏を呈し、有棘細胞癌、基底細胞癌、悪性黒色腫の原因となりうる。神経症状、眼症状を呈する。 PUVA療法は禁忌。治療法はなく、対策は紫外線から避けることしかない。
家族性地中海熱:12時間~72時間ほど発熱が続く。月に一回ほど症状があることを繰り返し、38℃以上の発熱の他に腹膜炎、胸膜炎、下肢の関節痛などを起こす。コルヒチンで治療する。

 

・常染色体優性遺伝
Marfan症候群、Ehlers-Danlos症候群、MEN(多発性内分泌腫瘍)
筋強直性ジストロフィ―:CTGのくりかえし、ポリグルタミン病。
DiGeorge症候群
:胸腺と副甲状腺の低形成が、T細胞の減少・欠損と、低Ca血症をきたす。
Huntington舞踏病:
ポリグルタミン病。線条体ドパミンを介して淡蒼球を抑制してしまうので、視床が暴走し、大脳皮質に働きかけることで錐体路症状、顔、全身に不随意運動が起きてしまう。怒りやすくなり、妄想や認知症を呈し最終的には寝たきりに。
家族性腺腫性性ポリポーシスFAP:原因遺伝子を持っている場合、若いうちに大腸がポリープまみれになり、大腸がんに進行する。予防的に大腸を切除する。(107B42)軟部組織腫瘍、骨種を伴うGardner症候群も同じ病気。
Birt-Hong-Dube症候群
①20代から多発性肺嚢胞を有し、高率に気胸をくりかえす②中高年で腎癌を発症する③顔面に皮疹がある。

結節性硬化症:別名ブルヌヴィーユプリングル病。葉状白斑、知的障害、てんかん、腎血管筋脂肪腫、腎嚢胞、リンパ脈管筋腫(LAM)などを起こす。

※浸透率 penetrance

常染色体優性遺伝疾患において、原因遺伝子を持っている患者が発症する確率。
penetrance60%の疾患の場合、遺伝子を持っていると60%の確立で発症し、40%の確率で発症しない。
閉塞性肥大型心筋症
サルコメア蛋白の遺伝子異常。心エコーで非対称性の中隔肥大(ASH)とM弁前尖の収縮期前方運動(SAM)、A弁半閉鎖をみとめる。治療 βブロッカー、Caブロッカー、激しい運動の制限。突然死の予防にICDや抗不整脈薬などを用いる。
Osler病
鼻出血を繰り返すエピソードをもち、動静脈婁の合併が見られる。
Charcot-Marie-Tooth病
末梢神経、運動障害優位。下肢遠位筋優位の筋委縮、下垂足、鶏状歩行を呈す。 アキレス腱反射低下、CK正常。装具の着用、アキレス腱の伸長、関節可動域訓練などのリハビリを行う。
骨形成不全症(van der Hoeve症候群)
Ⅰ型コラーゲンの合成障害をきたす遺伝性疾患。
青色胸膜、骨折エピソード、難聴を三徴とし、四肢の変形を認めることが多い。

107D46 - みんなの質問掲示板

 ・TreacherCollins症候群

外耳道閉鎖、伝音難聴、小耳症、小顎症、下がり目

・伴性劣勢遺伝=X連鎖劣勢遺伝
Fabry病:心筋肥大、蛋白尿、無汗症。
Hunter症候群:ほとんどHurlerと一緒だが、角膜混濁はきたさない。Hunterの目は無事。
Lesch-Nyhan症候群:高尿酸血症自傷を呈す。尿酸合成阻害薬(アロプリノール)で治療する。
Duchenne型筋ジストロフィー:3-5歳で走れなくなったり、転ぶことが増えるというのが典型的エピソード。CK、アルドラーゼ上昇。筋生検したらジストロフィンの欠損を認める。治療はステロイド、リハビリ。呼吸不全には人工呼吸器を用いる。
Becker型筋ジストロフィー
重症複合免疫不全(SCID):液性免疫も細胞性免疫も弱い。
Wiskott-Aldrich症候群:血小板減少、湿疹、易感染性。T細胞減少、細胞性免疫が弱まる。
血友病:AとBがある。Aは第Ⅷ因子Bは第Ⅸ因子の低下。臨床的に二つに違いはなく、血小板数正常。間接内出血。APTT延長、PT正常。因子を補充したり、デスモプレシン補充で治療する。
球脊髄性筋萎縮症(Kennedy-Alter-Sung症候群):この病気は優性遺伝と同じ伝わり方をするが、発症にテストステロンが関わるので結果的に男性にのみ発症する(女性でも軽度の筋力低下、振戦、CK上昇などは呈する)

 

・伴性優性遺伝=X連鎖優性遺伝
ビタミンD抵抗性くる病
色素失調症
男児はほぼ死産となり、女児の場合のみ産まれてくる。
出生時より水疱を認める。
Alport症候群
Can't see Can't pee Can't hear bee。
見えないし、正常のおしっこ出ないし(無症候性血尿、蛋白尿)、感音性難聴
Ⅳ型コラーゲンの異常が原因。

 

【遺伝形式】