救急外来で役立つ、転倒した高齢者へのファーストタッチ・・・大腿骨骨折を疑ったら何をする?
こんにちは きよすけです。
先日、指導医(整形外科医)に
「今、暇? 今後、救急外来いくでしょ、その時にしっかり見ておくべきことを教えてあげるよ まーいいから座って」とゲリラレクチャーがありました。*1
その要点を自分のためにまとめておきます。
いつものごとく「おい! 転倒して救外にやってきた高齢者ならこれも考えんかい!」 みたいに僕が書き逃していることがありましたらコメントなどで教えてください・・・よろしくお願いします。
※この記事では特に今かかりつけの先生がいるような病気はなく、「転倒」で救外にやってきた高齢者にむけてのファーストタッチをまとめています。
・とにもかくにもまずはバイタルサインの確認!そして同時に頭頚部の外傷がないかをチェック!
ここで大事になってくることは3点。
「バイタルサインを確認しないと次のステップに安心して移れないということ」
「頭頚部の外傷があったら外傷性のクモ膜下出血などを考える必要があるということ」*2そして「高齢者の転倒をよくあることと片付けず、失神などそもそも転倒に原因疾患があったのではないかという視点を持つこと」ですね。
3点目、転倒の原因を精査することは時間的優性順位は高くないですが、大事な視点ですよね。なんでコケてしまったのか、その原因が例えば心臓や脳にあったりする場合は、やはり現在のバイタルサインの確認は必須です。バイタルサインは「転倒」が引き起こした状態の確認だけでなく、「転倒」を引き起こした背景の確認にも有用という訳ですね。
・バイタルの安定を確認出来たら、大腿骨骨折が起きているかをチェック。
ざっくり見るべきは2点。
ひとつめ 大腿三角を押す(別名 スカルパ三角)
大腿三角は 鼠経靭帯、縫工筋、長内転筋で示されるエリアの事。
ここを押して痛がらなければ折れてないことが多い!
ふたつめ 脚を自動的の挙上できるか。
SLRテストのように、背臥位になって股関節を自動的に屈曲できるかを質問してみましょう。
これができない場合、折れている可能性が高いです。
※「患肢の短縮とかもですか?」とこのレクチャー中に質問したんですが、
「うーん…高齢者の場合、よくわからないことが多いな~もともと曲がってることとかもあるし。絶対短くなってるって思ったらあれだけどね」とのことでした。
・さて、折れてそうだなとなったら
股関節正面 の条件でレントゲンを撮ろう!
レントゲンを研修医が読むときに頭に入れておくべきこと
「折れやすい場所が大腿骨頸部、大腿骨転子部であることを把握しておく」
「骨の輪郭をなぞる」
「大腿骨が折れているかも?と思っても違う骨が折れていることも、 恥骨、座骨も一応見ておく!」
以上が指導医に教わった大腿骨骨折を疑った時のファーストタッチでした。
「ここまでやったら遠慮なく電話で呼んでね~」と言い、さわやかに去っていく姿を見て「整形外科ってそりゃモテるわ・・・」と納得しちゃいました。